ただし、結婚を望むなら、相手に二者択一を求めるタイミングは、相手が「イエス」と答える相当な確証があるときでなければなりません。その確証がない中で、自分の思いだけで相手に二者択一を迫れば、かなり高い確率で相手は「ノー」と答えるのです。
相手が「イエス」と答えるのか「ノー」と答えるのか。その確率はそもそも50%対50%ではありません。「ノー」の方が圧倒的に高いのです。
私の感覚ではイエスが20%でノーも20%です。その間に60%のグレーゾーンがあります。人は自分にとって重要な決断であればあるほど判断に迷います。覚悟を決めてスパッと「イエス」とか「ノー」と直ちに回答することはできません。
それでは迷った場合、「イエス」と答えられないとすれば、イエスとノーの間にある”迷っている部分=グレーゾーン”も含めて回答は「ノー」になってしまいます。二者択一を迫るということは、グレーゾーンとノーを合わせた80%の確率で、相手に「ノー」と言わせてしまうことになるのです。
また、人は一度、自分の立場や考えを表明してしまうと、あとからそれを覆すことは非常に困難になります。結婚へ向けて一度、「ノー」と答えさせてしまうと、あとからそれを「イエス」に改めさせるには、ゼロから「イエス」と言わせる何倍ものパワーや労力を必要とします。ですから今、「イエス」と言わせることができなくても、「ノー」と言わせてしまってはいけないのです。
これは恋愛以外の問題についても言えることです。相手に二者択一を迫るということは、その話を壊してしまう決定打となってしまうリスクが高いのです。ですから何かの交渉で相手から「イエス」を引き出そうとする際に、二者択一を迫るやり方は、”最後の手段”と考えてください。それでも二者択一を迫るなら、相手が「イエス」と答えるであろう相当の確証があるときしか行うべきではありません。
人間が何かの判断する際には「イエス」と「ノー」の間にグレーゾーンがあり、イエスでなければグレーゾーンも含めてノーになることを覚えておいてください。