私はよく「「エネルギーはマイナスの方がプラスよりも強い」と話しています。

 

たとえば、バーのカウンターで知らない客同士がお酒を飲んでいたとします。皆さん、一人で来たお客さんですが、意気投合して7人の客が全員で盛り上がっています。そこにまた新しくお客さんが入ってきました。ただ、このお客さんは酒に酔っていて、しかも不機嫌で喧嘩を売ってくることはありませんが、嫌なムードを漂わせています。その結果、今まで盛り上がっていたお客さんも含めて、そこにいる8人全員が嫌な感じになり、ほどなくしてお客さんはお店を後にしました。

 

つまり、プラスが7でマイナスが1でも、全体はマイナスになってしまうのです。同じようなことは皆さんも経験していると思います。学生時代、仲の良い友達同士で楽しく話している時、嫌な人が一人入ってくるだけで、全員がしらけてしまいます。それは本来、マイナスはプラスよりも強いものだからです。

 

愛情を何十年も継続して持つことはできなくても、憎しみを何十年も持ち続けることはできます。私に相談に来る方の中にも、小学校や中学時代の恨みを50歳を過ぎてもまだ心に持ち続けている人はしばしばいます。逆に小学校や中学時代に好きになった人を50歳を過ぎてもまだ好きだという人はめったにいません。

 

それは私のような人間の感覚も同じです。霊能者と言われる人間は、他人の未来を感じ取ることはできても、本来、自分の未来は感じにくいものです。それでも悪い未来は何となく感じていて、上手く回避できたことは数多くありますが、良い未来はほとんど感じ取ることはできません。

 

日本語には”胸騒ぎ”とか”虫の知らせ”といった言葉があります。これは昔から、人は悪い未来を感じ取ることができたことを現しています。

 

ですから私はいつも、「このまま進んで大丈夫なのか」常にチェックしています。たとえば、出張鑑定で出かける場合、今日は出かけて無事に帰ってこれるのかどうか、災いが起こるとすれば、それは何なのか。たとえばどこかで霊障を受けるのか、或いは交通違反で違反切符を切られるのか。家を出る前に、少しとどまって1時間後や4時間後の自分の顔を想像してみます。怒っているのか、笑っているのか、悲しんでいるのかをです。

 

実際にそうやって、予定があるのに出かけなかったことは今までに何度もあります。東日本大震災の日も午後1時から出張鑑定で人と会う約束がありましたが、どうしても出かける気になれずに予定をキャンセルさせていただきました。

 

こういったことは私だからできることではありません。マイナスの力は強いので、皆さんもきっと感じ取れると思います。それが今までできなかったのは、皆さんが自分に尋ねる時間を持たなかったからです。

 

家を出る前に、30秒で良いので玄関で立ち止まり、これから先の自分の顔を想像してみてください。そして良くない顔が浮かんだときには、どんな出来事が起こるのか自分に尋ねてみてください。これは繰り返し実行しているうちにだんだんコツがわかり、やがて自分自身を救うことにつながっていくのです。