私は霊的な間口が広いことで、良いことも悪いこともさまざまな影響を受けます。間口が広いということは、自分の霊的な波長と離れている人や霊とも同調できますので、霊体験をする頻度が上がります。また、霊体に憑依されなかったとしても人の念(生霊)の影響も受けやすくなります。さらには人の本音や思いを敏感に感じやすくなります。

 

人の思いがいつも明るく前向きなものであるなら、それを感じる私の気持ちもポジティブになって、むしろありがたいのですが、残念ながら人の思いは欲望や嫉妬心、悲しみや嫌悪感といったネガティブなものが渦巻いていることの方が圧倒的に多いのです。

 

そのため若い頃は電車に乗ると、そのネガティブな思いに巻き込まれて3駅先まで進むこともできずに気持ちが悪くなって電車を降りていました。今は長年のことで心身に耐性がついてきたのか、下を向いて人の顔を見なければかなりの時間、乗ることができるようになりました。

 

新幹線や飛行機は他人と向かい合わせに座ることはありません。目や顔が合うことはないので比較的長時間でも大丈夫です。ただし、それも問題のある人が隣近所に座っていなければの話です。

 

ちょうどおととい私は出張鑑定で博多まで日帰りをしました。博多駅は福岡空港から地下鉄で2駅、約5分ほどで着きます。したがってもちろん羽田から飛行機で福岡空港へ向かいました。ただ、困ったことに満席の客室内で隣に座った男性は、かなり人から恨まれている方でした。その人が隣の席に座った瞬間、冷気が入ってきたように寒気で体が震えました。「これはまずいことになった」とすぐに感じましたが、次の瞬間、たくさんの恨みや憎しみに満ちた目が私の周りに現れて、隣の男性を睨みつけているのです。

 

私は憎しみの対象ではありませんが、飛行機の座席はピッタリ隣とくっついていますので、私の体がその念に反応して吐き気や頭痛など体に影響が出ることはしばしばあります。私は着陸するまでの1時間40分間、ずっと手は印を結び、口の中でマントラを唱え続けていました。途中で機内サービスにCAが回ってきましたが、とても返事ができる状態ではなかったので、寝たふりをするしかありませんでした。ものすごく辛く、鑑定時間よりも何倍も疲れた飛行時間でした。

 

また、以前、新幹線で京都から品川に戻るときも同じようなことがありました。京都から普通車の指定席に座ると、隣にはすでに若い女性が座っていました。彼女はずっと声を殺して泣き続けていました。東京と大阪で遠距離恋愛をしていた彼女は、結婚するつもりでいた大好きな彼に、先ほど別れを告げられて東京に戻る途中でした。彼氏には新しい彼女ができてしまい、彼氏はその彼女と結婚の約束をしていました。彼氏の心はすでに新しい彼女へ移ってしまい、この彼女に未練はありません。彼氏はこの彼女に今後はもう一切、連絡はしないし、連絡もしないでほしいと告げたのです。彼女の心には、死ぬことばかりが渦巻いていました。

 

名古屋に着く前に、私はこの女性の思いが辛くていたたまれなくなり、普通車の指定席を離れてグリーン車へ移動しました。ただ、グリーン車は満席で車内でグリーン券は買えませんでした。仕方がなく私は普通車の自由席へ行きました。ただ、自由席も満席で座れる座席はありません。その結果、私は名古屋の手前から品川までの1時間40分間、デッキに立って品川まで戻ることになったのです。

 

私がそのとき思ったのは、指定席はあらかじめ座席が確保されているので安心ですが、もし隣に好ましくない状態の人が来たら、降りるまで逃げ場はありません。ですから今、新幹線に乗るときは指定席を確保した上で、乗車する際はまず自由席をチェックして、空いているようでしたら自由席に座るようにしています。人の本音や思いが分かりすぎることは、人生ではプラスになることよりもマイナスになることの方がはるかに多いのです。