昔、テレビの洋画劇場でドラキュラの洋画を何度か見ました。ドラキュラはアイルランド人作家が書いた小説に出てくる吸血鬼の名前です。ドラキュラは人の血を吸って生きる吸血鬼ですが苦手なものもあります。それは十字架やニンニク、聖水や銀の弾丸などです。特に直射日光を浴びると体がボロボロに崩壊して死んでしまいます。深夜に人の血を吸って跳梁跋扈していたドラキュラが、朝までに自分の寝床である棺に戻れずに、朝日を浴びて崩壊していくシーンはさまざまなシリーズで見てきました。ナイフで刺されても、ピストルの弾丸を撃ち込まれても死ななかったドラキュラが日光を浴びた瞬間にいとも簡単に死んでしまうのです。

 

現世にとどまっている不浄霊もある意味、ドラキュラに似ています。日中ももちろん活動していますが、暗くなった夜の時間帯の方が明らかにその力は強くなっています。

 

お墓はまだ成仏していない霊が集まる場所の一つです。その霊の中の何体かは、そのままあの世へ上がることなく、不浄霊となって現世に残ります。どこの霊園でも夕方には出入り口を閉めて夜間は立ち入り禁止にします。それは防犯上の理由だけではありません。夜間の霊園や墓所はそこにとどまっている霊の力が強いので、そこに出入りすることは非常に危険なのです。

 

いつもお話ししている通り、自分の波長とそこにいる霊の波長が離れていれば同調できませんので影響はまったくありません。ただ、もし自分の波長に近い波長の霊がいた場合、その悪影響は日中よりも強く心身に出てしまいます。ですからお墓参りは普通は明るい時間帯に行っているのです。

 

よく”丑三つ時”と言いますが、丑の刻とは午前1時から午前3時までのことで、それを4等分した時の上から三番目が丑三つ時です。つまり午前2時から午前2時30分までが丑三つ時です。私の経験からも丑の刻は一番嫌な霊体験をする時間帯ですし、その中でも丑三つ時はもっとも不浄霊の力が強くなる危険な時間になります。

 

ですから私が除霊を行うときはできる限り日中に行います。仕事などの理由で帰宅後しか時間が取れないといった場合、仕方なく夜に除霊を行うこともあります。そんな時は私は非常に慎重になりますし、最大限遅くても9時過ぎに除霊は開始しないようにしています。これは除霊という霊との戦いにおいて、相手の力が強くなることは私や祓う人に大きなリスクが伴うからです。

 

また、この深夜の時間帯とともに”逢魔時”と言われる昼と夜が移り変わる夕方の時間帯も、何か霊の力が波のように強くなったり普通の状態に戻ったり揺れているように感じます。

 

”魔が差す”という言葉がありますが、悪い意味で何かのタイミングが合ってしまう時間帯は、この”逢魔時”が多いようにも感じます。

 

皆さんも霊的に悪い場所へ行かれるときはもちろんのこと、普段からこういった時間帯は気持ちをしっかり持って過ごすか、リスクの少ない家の中で慎重に過ごされた方が良いです。