よく私に「亡くなった家族が今、何を言いたいのか教えてほしい」という方がいます。ご家族からすれば、死んだ父や母のメッセージを聞きたいと思うのはある意味当然のことだと思います。ただ、多くの場合、私のそのご希望にお答えすることはできません。それは年月が経つと亡くなった方の魂は現世を離れてしまうからです。

 

”肉体は借り物”と言う方がいますが、魂は肉体とは別に存在しています。魂が肉体の中に存在しているなら、肉体が死によって活動をやめた時、魂も活動が終わることになります。ただ、現実には、心肺や呼吸が停止して瞳孔が開いた状態になっても、デルタ波やガンマ波といった脳波が検出されたケースがかなり見つかっています。つまり、肉体が活動をやめた後も意思を持った存在が活動を続けているのです。

 

また、世界各国で小さな子供が知るはずのない過去の話を詳細に話した例が数多くあります。こういった事例がテレビ番組で紹介されたときに、私もたまたま見ていました。幼稚園生ぐらいの子供が、太平洋戦争の時に、自分が乗っていた船が硫黄島の戦いで日本軍によって撃沈されたと、船名や乗組員の名前を具体的に挙げて語ったのです。そしてこの子供が口にした名前は検証した結果すべて史実と一致していたのです。

 

こういった状況もみても、私は魂は肉体とは別に存在していると考えています。そして魂は肉体が活動をやめたあとは、肉体を離れてあの世へ上がります。そしてあの世で生きていた時の記憶を消され、輪廻転生して来世へ生まれ変わります。

 

死んだ後の魂は、しばらくは現世にとどまって、生まれたところから死んだ場所までを何度もたどりながら自分の人生を総括します。そして自分なりに人生の答えを見出して納得してあの世へ上がっていきます。この時間は早い人だと49日ぐらい、遅い人でも3年ぐらいで魂は現世を離れます。あの世へ上がった魂は、生きていた時の記憶を消され、やがて輪廻転生して来世へ生まれ変わります。輪廻転生のサイクルは30年から80年と言われています。これが”魂の定め”です。

 

ですから自分が死ぬときに、残された家族や愛する人に寄り添いたいと、どれだけ願っても魂はあの世へ上がることになります。ただ、逆に、誰かを恨んでいたり、憎んでいたり、後悔や自責の念、さらには現世に対する執着が強いとそれが重荷になってなかなかあの世へ上がることはできません。

 

エネルギーは本来、マイナスの方がプラスよりも強力です。愛情や思いやりといったプラスの思いは魂を現世にとどめませんが、マイナスの思いは魂を現世に引き留めます。これは悪くすると魂が不浄霊となってあの世へ上がることができずに、輪廻転生のサイクルから外れてしまうことを意味します。

 

ですから自分で納得のできるような生き方をしてきた人は早くあの世へ上がり、早く生まれ変わることができますから、生まれ変わって愛する人とまた現世で再会することもできるのです。

 

ですから亡くなった方の魂は、何かの思いを残さずに早くあの世へ上がり、やがてまた生まれ変わってくることが正常なのです。私は現世を離れた魂とはつながることはできませんので、幸いにして死者のメッセージを伝えられないことの方がはるかに多いのです。