言霊とは、言葉には力があるという考え方です。ですから良い言葉を発すれば良いことが起こり、悪い言葉を発すれば悪いことが起こると考えられています。縁起の悪いこと言葉を発するとお年寄りに怒られるのは、このような考え方に基づいています。
言葉というか声に力があることは私も常々感じています。除霊や浄霊、或いは結界を張るときにもマントラを唱えますが、マントラを唱える上でポイントになるのは声(の周波数)になります。会話で出す声とは違うふわっとしたトーンの声を唱えている言葉にかぶせて同時に響かせます。極端に言えば2重奏のように声を響かせています。これは非常に難しいので、最初のうちはまったく2重奏にはなりません。やがて2重奏になる部分が時々出てきて、慣れてくるとほとんどの部分が2重奏になっていきます。
ですから書店でお経やご真言の書籍を買ってきてそれを声に出して唱えるだけでは不浄霊に対抗できません。逆に不浄霊を刺激して悪影響を出されるのが関の山です。
”人を呪わば穴二つ”という言葉があります。これは人を呪うとその思いは自分にも降りかかってきて墓穴が2つになるという意味です。このことをもう少し正確に説明すると、人を呪うときに、呪いの言葉を相手へぶつけたとします。たとえば「死ね」と言葉を発したとします。言葉にはそれ自体に力がありますから、口から出た「死ね」と言う言葉は、相手へ向けて飛んでいくと同時に一番近くにいる人間にも影響を及ぼします。それは言葉を発した本人になります。そう考えると人を呪うということは、同時に自分で自分を呪っていることになるのです。
私は「生まれてくる子供の名前をみてください」としばしば頼まれます。名前と言うと字画などを気にする方がいますが、私の考えは違います。名前は人生で自分に向けられる最も多い”言霊”です。だから重要なのです。自分に向けて良い言霊を何回もぶつけられればおのずと人生は良くなっていくでしょう。
だから親御さんは、一生懸命良い名前を考えてあげてください。以前、子供の名前に”悪魔”名付けた親のことが話題になりました。いったいこの親は子供の人生に何を望んでいるのか、理解できません。