霊的な間口の狭い方は、自分の波長に近い波長の霊体としかつながることができません。ですから霊体験をする確率は低いのですが、間口の広い人は自分の波長と離れた波長を持つ霊体ともつながることができます。そのため霊体験をする可能性は高く、霊体験をすることで霊的な間口はさらに広くなりますから、ますます霊体験を繰り返すようになります。

霊体験と言うものは決して気持ちの良いものではありません。それどころか体のあちこちがひどく痛んだり精神的にひどく落ち込んだりさせられるわけですから、正直、勘弁してもらいたいと思うこともしばしばです。

 

よく「霊がやってきたらどうすればよいのですか」と尋ねられることがあります。人によっては慌てて念仏や題目を唱えるという人もいますが、ただ、それでやってきた霊が退散することはまれです。

 

少し詳しい人ですと「九字を切る」と言う人もいます。九字切りは、手刀で空中に網を張って、霊をブロックする方法です。作法は簡単でマントラも九文字しかないので簡単に覚えられます。ただ、九字を張った後は、それをきれいに解かなければなりません。それができないと宮中に残った九字の網は、却って霊の目標になって、霊を集めることになります。

 

また、お経やマントラの書かれた本は、今は書店で簡単に買い求めることはできますが、下手にマントラを霊体にぶつけると却って霊体の怒りを買って激しく反応が出ることもあります。マントラやお経はそれ自体は、霊に対抗する力を持っています。ただ、現れた霊によって有効なマントラやお経は異なります。

 

私が除霊や浄霊を行うときには、まずはこの霊にはどのようなマントラが有効なのか、それを探ることから始めます。あたかも医師が病気に有効な薬をさぐるように、霊の性質を見極めて2000種類と言われるお経やマントラの中から、有効と思えるお経をぶつけていくのです。だから霊は退散するのです。そう考えると霊の状況が全く分からない中でただやみくもにお経をぶつけるのはとても危険です。

 

それではどうすればよいのか。私が皆さんに進めている方法は、いたって簡単です。霊が来るのは何かを求めたり、何かを伝えたりするためですが、その場所は霊にとって居心地が悪くありません。たとえば霊が良く集まる場所は、湿っていたりうす暗かったり汚れているような場所です。霊体は体がないだけで生きている人間と同じです。感情もあれば好き嫌いもあります。ですから居心地が良い場所には何度もやってきますが、居心地が悪くなればおのずと退散します。除霊で唱えるマントラやお経も、パワーストーンもお札も、極端に言えば、これらはすべて霊の居心地を悪くするためにも機能しているものなのです。

 

ですから霊の嫌うことをすれば霊は出ていきます。霊は”パン”という乾いた音を嫌がります。ですから何か悪いものが来たように感じた時、単純に両手を”パン・パン・パン”と何度か続けて叩いてください。軽いものであれば、それだけでも退散させられます。もちろん恨みの念が強い重いものは、これでけでは祓えませんが、私の経験では塩を部屋に置くよりも効果はあります。