よく”カルマ”という言葉を耳にします。カルマというと何か悪い因縁因果のようなイメージを持ちますが、私に言わせればカルマとは、その人の”心の設計図”のことを言います。
たとえば何かの出来事が起こります。それが良い出来事なのか悪い出来事なのか、それはその出来事自体で決まるのではなく、その出来事をどのように受け止めて、どのように対応していくのかで後から決まるものです。
たとえば交通事故に遭ったとします。交通事故に遭って「おめでとう」と喜ぶ人はいません。それだけを取り上げれば、悪いことが起こったことになります。でも、交通事故に遭って入院している時に看護師と仲良くなり、その後、結婚して幸せな家庭を築いた人は現実に何百人もいます。もし、事故に遭わなければ二人は出会っていなかったわけです。そうなると、この人にとっては交通事故に遭ったことは決して不幸なことではなく、良い出来事であったことになります。
逆に宝くじで高額当選金が当たったとします。こんなラッキーなことは一生に一度あるかないかのことです。ただ、宝くじが当たった数年後に幸せになったのかどうかをある会社が調査したところ、意外と「不幸になった」と答えた人の割合が高かったと、何かの記事に書いてありました。周囲からたかられたり、妬まれたりして人間関係を悪くしてしまったり、大金を手にして仕事や商売をやめてしまったという方もたくさんいました。
当たったときは当選金がありますから仕事を辞めてしまっても何ら困ることはありません。でも、働かないで散財を続けていれば、当選金は数年も経てば無くなってしまいます。無くなったあとで、仕事を見つけようとしても、数年間も遊んでいた人を雇ってくれる会社はありません。商売にしても、突然辞めて数年もたてば、ご贔屓にしてくれた常連のお客さんだっていなくなってしまいます。まだ、寿命は残っているのに、これからどうやって暮らしを立てたらよいのか、中には路頭に迷う人もいると言います。こうなると、この人は一生に一度の幸運を結果的に悪い出来事にしたことになります。
自分に起こった出来事は、だれでもそれを良い出来事にしたいと思います。ただ、現実にはそれができる人とできない人がいます。それを決めるのが”カルマ”なのです。(2)へ続く