私はご家族を亡くした方から過去に何回か「故人の気持ちを教えてほしい」と頼まれたことがあります。私は人の過去世については感じ取れたり取れなかったりで、安定して観ることはできません。ただ、現世の問題であれば、霊的な波長さえ合えば明確に感じ取れます。
たとえば1週間前にご主人を亡くした奥さんから「相続の問題でもめているので故人の考えを知りたい」と頼まれました。私は亡くなったご主人の画像や愛用品などから、ご主人の霊的な波長を感じ取ります。そこでご主人とつながってどのように考えているのかを感じ取りました。
するとご主人は子供の名前を挙げて、「次男には生前に与えたものがあるから、この土地は他の兄弟に相続してほしい」と具体的に物件の名前を出して話しかけてきました。その話を伝えると奥さんはとても納得されていましたので、死後1週間の時点で私はご主人の霊とつながれていたのだと思います。
それから1年ぐらい経って、その奥さんから再び「ご主人の気持ちが知りたい」と連絡がありました。子供の進路や家業の問題についてご主人の考えを知りたかったのです。
私はご主人の霊的な波長は把握していますので、いつものようにつながりました。するとご主人は、お子さんが小さかった時の出来事を具体的に挙げて、子供の適性について語りました。奥さんは前回と同様にその話にとても納得されていましたので今回もご主人の霊と上手くつながりました。
ただ、それから3年ぐらい経って、また奥さんから連絡が入りました。要件は今回も「ご主人の考えを教えてほしい」というものでした。私は把握している波長でご主人の霊とつながろうとしました。ただ、どれだけ集中して頑張ってもご主人の霊とはつながれません。それはご主人の魂が現世を離れて成仏した(あの世へ上った)からです。
こういったことを何度も経験した結果、私は人の魂は死後しばらくは現世にとどまるものの、やがては現世を離れてあの世へ上がるものだと感じています。
人は死んで肉体が無くなったあと、しばらくは現世にとどまり、生まれた時から死んだ時まで、その場所を実際に訪れながら自分の人生を総括していきます。それを何度も繰り返しながら、自分の人生に自分なりの答えを出してあの世へ上がります。その期間は早い人だと死後49日ぐらいで遅くても死後3年ぐらいで成仏します。その後は輪廻転生してまた来世へ生まれ変わります。
このスピードの違いは”自分が納得できる人生を送ってきたのかどうか”によるものです。いつも正直に誠実に一生懸命生きてきた人は、自分の人生を振り返ったとき、大きく悔いることはありません。それは自分でも納得できるはずです。逆にいつも怠けたり言い訳ばかりしたり、人を騙して生きてきた人は、悔いるところが多く、自分の人生に納得がいきません。
最悪、強い後悔や憎しみや恨みに凝り固まったような人は、そのマイナスの念の重さゆえに何年経ってもあの世へ上がれません。それはその魂が成仏することができずに不浄霊化してしまうということです。
死ねことが終わりではなく始まりと言われるのは輪廻転生してまた次の人生を生きることができるからです。ただ、自分の考え方や行動次第ではそれができなくなってしまうこともあるのです。そんな魂は現世を何百年もずっと漂い続け、やがて魂の形が崩れて消滅します。