私が除霊や浄霊などを行うときには、悪影響を与えている不浄霊と意識の中で対峙します。そのときにその人が亡くなるときの状況がその人の目線で見えることがよくあります。
テレビやアニメの世界では”学校をテーマにした怪談”があります。確かに夜の学校は不気味ですし、亡くなった後、学校に思いを残してそこにとどまる霊もいます。今回はそんな話を紹介します。
以前、小学校6年生の娘さんを持つお母さんから、「夏休みが終わってから急に娘の様子がおかしい」と相談を受けました。話を聞くと、夏休み中に課外学習で学校に1泊することがあり、それからおかしくなったとのことです。
お母さんによると、まず目つきが厳しくなり顔つきが全然変わってしまったとのこと。朝は登校時間に起きれずに学校を休むことが多くなり、叱ると大声で暴言を吐いたり泣き叫ぶことあって手に負えなくなっているとのことです。病院で脳の検査を行い、精神科も受診したもののまったくの原因不明で私に相談してきました。
私はまずは本人と面会するためご自宅まで伺いましたが、私が玄関に入ったとたんに室内からは娘さんの怒鳴り声が響きました。汚い言葉で私を罵り、玄関へ向けて近くにあるものを手当たり次第に投げつけてきました。
私はその時点で霊の憑依を確信しました。憑いている霊からすると私が何者で何をしに来たのかをよくわかっています。憑依した娘さんから離れたくない霊は、私を見たとたんに威嚇をしてくるのです。
私は娘さんの部屋に入り、泣きわめく娘さんを前にして、静かに除霊のマントラを唱え始めました。
その瞬間、私の目の前に小学校の教室が見えてきました。教室の独特の匂いを感じながら、私は清掃用具の入った狭いスペースに押し込められています。しかも手足を縛られて身動きが取れません。口にはガムテープが貼り付けられて声も出せません。ドアには隙間があって教室の中が見えるのですが、夕暮れに染まった教室内はすぐに漆黒の闇に染まり私は恐怖に震えています。私は必死で大声を出しましたが、声にはならず誰も助けに来てはくれません。
さらに私の眼には暗くなった教室に入ってきた霊の姿が何体も見えました。その中の何体かは私に気づいてこちらをにらんでいます。私は恐怖に思わず目を閉じたまま、そのまま意識を失いました。
そして夜も深くなったころにやっと親と先生が教室に来て私を助け出してくれました。このことがあってから私は人が怖くて学校へ行けなくなりました。それからしばらくして私は生きていること自体が苦しくてビルの屋上から飛び降りました。こんな画像が体に痛みが走るリアル感を持って私の目の前で展開されたのです。
私はこの女の子の霊を祓うだけではなく、しっかりと供養しました。するとこの霊は静かに娘さんの体から離れて空へ上がっていきました。そして娘さんの顔は別人のように優しくなり、落ち着きを取り戻しました。
この女の子の霊は同年代で波長の近い娘さんに乗ることで、教室で身動きが取れないまま、霊に迫られた恐怖心や自殺をした絶望感から一時的に逃れていたのです。