死んで肉体が無くなったあとも、あの世へ上がることができずに現世にとどまってしまう魂(霊)がいます。霊は現世にただふわふわ浮いているような状態よりも、誰かに憑依している方が楽です。したがって何の理由や因縁因果がなくても、自分の波長に合う人間がいれば、それだけで憑依してきます。もちろん、何かの因縁因果(理由)があって憑依するケースもあります。そういった場合は大げさではなく命に係わるくらいに強く心身に悪影響が出ます。また、理由がなくて憑依するケースでも、霊と憑依される人の波長がピッタリだとその影響は強く出ます。

 

このように心身に明らかに悪影響が出るケースはひどい状態と考えてください。そこまで目に見える形で影響が出なくても不浄霊と波長が合ってしまうとさまざまな形で悪影響を受けます。

 

私はよく霊の影響は体に出なくても4つの点が悪くなると話しいています。そのまず第1は

「無意識にしている選択が悪い方を選ぶ」

ことです。人間はいつも頭で考えて選択や判断・行動をとっているように思いますが、意外と無意識に(=何気なく)選択・判断・行動をとることも多くあります。

 

たとえば電車に乗ろうと思って駅のホームの階段を下りている時、ホームにちょうど電車が入ってきたとします。そのときに走ってその電車に乗るのか、歩いて降りて次の電車に乗るのか、多くの人はよく考えることなく無意識に決めています。その判断が正しければ、学生時代の友人とたまたま再会して、仕事につながる話ができるかもしれません。でも、もしその判断を誤れば、痴漢に遭って嫌な思いをするかもしれませんし、事故や暴漢に遭うかもしれません。

 

車を運転中に交差点に差し掛かりました。そのときちょうど信号が黄色に変わりました。普通は深く考えずに1秒後にはアクセルかブレーキかどちらかのペダルを踏みます。ただ、このケースでも、判断が正しければ事故に遭うことはありませんが、仮に安全を考えてブレーキを踏んだ結果、後続の車に追突される可能性もあります。

 

大人は今まで生きてきた経験や知識に基づいて物事を判断します。したがって頭で考える判断は概ね大きく間違えることはありません。逆にこういった無意識の選択や判断・行動の方が、結果的に人生を大きく左右することが多いのです。霊の悪影響の第1はその判断を誤らせるのです。

 

次に第2は、

「タイミングが悪い方へずれる」

ことです。物事を成就させるためにタイミングは非常に重要です。また、タイミングは努力で良くすることができません。霊の影響を受けると人と出会うタイミングや物事を実行するタイミングが常にずれてきます。それも大きくずれて大失敗をすることよりもいつも少しずつずれて消化不良状態が続くことが多いのです。たとえば大きな失敗をして会社を首になるようなことはなくても、常に仕事が上手くいかずに毎日上司に怒鳴られるような状態に陥ります。

 

そして第3ですが、

「悪い流れを良い流れに転換するきっかけが訪れない」

ことです。人生だれでもいつも良いことばかりが続くことはありません。良い流れの時もあれば悪い流れの時もあります。人生では概ねそれが交互に訪れます。それでは悪い流れを良い流れに代える転換点ではいったい何が起こっているのでしょうか。それは流れを転換できるだけの”きっかけ”が訪れています。

 

悪い流れの時には、だれでも早く良い流れに代えたいと思います。ところがそのきっかけは自分で作り出すことはできません。仮に本屋へ行って何か自分のためになる本を読もうと思っても、悪い流れの時にはその本が見つかりません。本棚に100冊の本があってその中に良い刺激を受ける本が2冊並んでいても、それが目に入らないのです。

 

流れを変えるきっかけとは、誰かと会うことであり、良い本を読むことであり、芸術作品に触れて感動することであり、素晴らしい景色を見て気持ちが動くことです。気持ちが動いたその瞬間に流れは代わります。霊の影響を受けるとそのきっかけが訪れてくれません。したがって悪い状態はだらだらと続き、いつまで経っても改善できないのです。