よく
”生霊は死霊より怖い”
と言います。これをもう少し正確に言うと
”生霊は死霊より面倒”
ということになります。
生霊とは生きている人間が出している”念(=マイナスの意味での強い思い)”のことです。簡単に言えば、強い憎しみや嫉妬、恨みなどの思いです。こういった強い負の思いは生霊の元になっていますが、それだけでは生霊は飛びません。生霊が出るときの脳の波長はα波でなければなりません。α波とはリラックスしている時に出る脳の波長です。
”強い負の思いとリラックスした良い状態”
これは完全に相反するものですので、意識的に誰かへ向けて生霊を飛ばすことは相当に訓練をした人でなければできません。
ですので生霊は、心身の状態がたまたま合ったときに、本人も気が付かない中で出ていることがほとんどです。誰かを恨んで追い落とそうとか足を引っ張ろうと思えば思うほど、生霊は出ないのです。
また、同じ霊の問題でも、霊(死霊)の問題は、憑依してきた霊を祓ったりあの世へ上げることで解決できます。そのあとは再び霊の影響を受けないように霊的な間口をブロックすれば作業は終了します。
それに比べて生霊は、不定期にさまざまな方向から飛んできます。それを受けた人には、受けるたびに悪影響が出ます。ですから除霊や浄霊で解決できない面倒な問題です。
さらに生霊で困るのは、それが全く身に覚えのないことであっても、相手の勝手な思いによって飛ばされてしまうことです。今述べた
「強い負の思いを持っていること」
「脳の波長がα波であること」
この2つの条件が成立すれば、事実かどうかにかかわりなく生霊は出ます。
以前、生霊に悩まされているという女性から相談を受けたことがあります。彼女はフリーランスで仕事をしていていました。あるときランチを兼ねて仕事の打ち合わせをしていた彼女は、打ち合わせが終わって相手の男性とレストランを出ました。二人が笑顔でレストランを出たちょうどその時に、この男性の奥さんと遭遇してしまったのです。普段なら普通に奥さんに挨拶をするのですが、そのときは奥さんの夜叉のような形相をみて思わず言葉が詰まってしまいました。
また、奥さんはそんな彼女の態度に夫の浮気相手だと確信を持ってしまいました。この男性は長年浮気を繰り返して奥さんを苦しめていました。そしてこの時も浮気をしていました。ただ、浮気の相手はこの女性とは全く違います。このときから奥さんの生霊が彼女を苦しめ始めたのです。
実に理不尽な話ですが、こういった相談を私は何件も受けてきました。