私は、霊の影響を受けるのかどうかは、過去の因縁因果や自分自身の生き方ではなく、単純に不浄霊の持つ霊的な波長とその影響を受ける方の霊的な波長が合うのかどうかがポイントであると述べてきました。したがって心霊スポットへ行ってもひどく霊障を受ける方もいれば、何ら影響を受けない人もいるわけです。心霊スポットは数多くの不浄霊がとどまっている場所ですから、そこにとどまるどれかの霊と波長が合えば影響を受けることになります。
私は以前、ある地方都市にある学校の除霊を頼まれました。その学校は太平洋戦争時に空襲に遭っていて、そのとき教員や生徒のほとんどがその空襲で亡くなっています。校庭には慰霊碑も建てられていて毎年、新学期には神主さんが来て供養していました。神主さんの供養はとてもありがたいものだと思います。ただ、そこで亡くなった人たちが成仏できていない場合、肉体を失った魂(=霊)はその場所にとどまります。そのときにもし、自分と波長の近い人間がいれば、その影響は生きている人間に出ます。
たとえば現代では、人は亡くなるとお葬式を行います。そして納骨をします。これらの儀式は亡くなった魂を供養してあの世へ送り出すための儀式です。それでは戦争中はどうでしょうか。今の例にあるように、通っていた学校で空襲に遭い命を落としました。学校が空襲に遭っているということは普通はその周囲にも空襲は広がっています。そこで自分の家も空襲に遭って家族も亡くなってしまったようなケースが戦争中にはたくさんありました。そうなると亡くなった自分の魂を供養してくれる人は誰もいません。魂をあの世へ送り出すためのお葬式も納骨も行われませんので魂は行く先を見失ってその場所にとどまります。よく言うところの”迷う”状態になります。
私が行った学校では、しばしば授業中に隣の教室からうるさい話し声や教室の壁や床をたたくような大きな音が聞こえていました。生徒のほとんどがその音を耳にしていて先生に対して
「うるさいから隣に行って注意してきてほしい」
と言われることもあったと言います。そして先生が隣の教室へ注意しに行くと、教室はもぬけのからで、誰もいなかったと言います。
生徒のほとんどがこの音を聞いているということは、生徒のほとんどが不浄霊と同調したことになります。霊の影響は、波長の合った人にしか出ませんので普通は、多くの人が同時に霊の影響を感じることはありません。ただ、このケースのように同じ時間に同じ場所で同時に多くの人が亡くなったようなケースでは、生きている人もたくさんの人が同時に霊の影響を感じることもあります。