まだまだ冒険は終わらない。


「無限コンチェルト」の続編となる本作品は、主人公マイケルが「王国」から帰還した半年~1年後の話となります。
前作は著者の想像溢れる冒険ファンタジーの要素が強い作品ではありましたが、
本作品はその要素が削られ物語の謎に包まれている部分を明らかにしていくような観念的な部分が強い作品となっています。


また前作では弱々しかった主人公が自我に目覚め、自ら考え行動していく姿は震えます。
もう人間離れしてしまって現実的ではないようなこともあるのですが、本作品を読んでいるときは主人公に成りきって一緒に考え冒険させて貰えました。


前作と本作品を読んで、つくづく人間の想像力(世界・人を創る能力)とは素晴らしいと感嘆しました。

やっぱりファンタジーって面白いです。


5月11日 読了


ボローニャ紀行


一度はボローニャへ訪れたくなる。


本作品はボローニャの綺麗な町並みを表現するだけに留まらず、
ボローニャ市政や民衆の考え方を包含し、また現地の方のヒアリングを交えた非常に濃い内容となっています。
紀行小説はなかなか読んだことがなかったのですが、このようなものならどんどん読んで各都市の特徴や民衆の考えを吸収したいと思いました。


また、作品中に何度も触れられるボローニャ方式は、著者も言及しておりますが今の日本の活性化に必要な要素だと思います。
自らが実践しなければいけないのが、地域社会との係わりあいでしょうか・・・。
本当に日本はそういった関係が希薄となっていると感じています。少なくとも私が住んでいる地域ではそう感じます。


作品中に非常に印象に残ったことを一つご紹介しますと、
ホームレス向けの宿泊情報や料理が貰える場所を面白おかしく書いた新聞がボローニャには存在するということです。
夜何時以降に○○レストランに行けば残り物が貰えるなどといった情報です。
地域社会が助け合ってると如実に感じました。(もちろんいい面も悪い面もあると思います)


一度はボローニャへ・・・


2008年5月8日 読了

不思議な世界へと誘ってくれる。


簡単に概略説明しますと、主人公の「マイケル」は将来は詩人となることを夢見る16歳の少年であり、
他人と一緒にいることより、読書や詩を描き空想の世界に浸ることが好きな少年です。
そんな学生時代に学校に一人はいそうな少年が、音楽家「アルノ」より地球外への「鍵」を受け取り、
その鍵を使用し、地球とは違う世界へ旅立つことから物語は始まります。


その鍵が通じる先は夢の中の世界のような現実であり、他の星のようで地球のような場所でもあります。
いきなりその世界に放り込まれた「マイケル」は途方に暮れ、別世界へきてしまった不安と絶望や思春期の少年が煩う葛藤等を抱えながら生活を過ごすことになります。


非常に無力な少年がその世界に適合しようと足掻き苦しみ、そして成長を遂げていきます。

肉体的にも精神的にも。。。子供だった少年がいつしか大人のような精神へと変貌する様は(まだまだ子供のような所は多いですが)共感を覚えてしまいました。

また地球と別の世界を描くことにより見えてくる地球の姿や著者独自の地球の生い立ちの想像などは感嘆すべき内容です。


夢を見させ冒険を与えてくれる本であることは間違いなく、正統なファンタジーの一冊だと思います。


2008年5月5日 読了

夜想

夜想


傷を舐めて貰うだけでは傷は完全には癒えない。


妻子を亡くし人生に絶望しかけている男性が他人の気持ちを読み取れる少女と偶然出会うことから物語は始まります。
少女は男性の気持ちを読み取ってしまい、男性のために涙を流します。
男性はその涙によって絶望から一時的に救済されます。そして少女と共に他人の救済への道を模索し始めます。


人を救済するという問題について、宗教問題を含めて考えさせてくれる作品です。
絶望から人を救済するために、個人は何をすることが出来るのか・・・。


傷は深いもので容易には癒えない。
他人の言葉で治るものではない。他人の言葉は必要です。

但し、最後は自分自身なのです。そう想わずにはいられない読後感でした。


2008年某月某日 読了

青い鳥


一歩を踏み出す勇気を与えてくれる。


本作品は、上手く話すことが出来ない、どもって話しをする「村内先生」を中心として構成される短編小説が集まっています。
「村内先生」は本当に大切なことしか話さないのですが、その大切なことに生徒が気づき新たな一歩を踏み出していきます。


過去自分が犯した過ちが思い出され、自分がとても惨めで恥ずかしい気持ちになりました。
但し、その過ちは受け入れなくてはいけないのであって、それに再度気づいたというのは非常に自分にとってプラスだと思います。


人は小説のように簡単に変われない。けど、新しい自分へ踏み出すきっかけになる。そう私は思っています。

(学生時代にめぐり合いたかった本。)


2008年4月17日 読了