厚生労働省が介護サービス最大手のコムスンに対して一部の事業所が介護報酬を不正に請求したとして2011年12月までの間、事業所を新規に指定したり、更新することを認めないことにした。コムスンは厚労省に届出を行う際に責任者を偽ったり、事業所ごとのヘルパーの在籍数を水増しして報告したりするなどしていた。さらにコムスンは厚労省が違反のあった事業所への処分を行う前に廃止し、多くの事業所を子会社に移管することで処分を逃れ、実質的に経営を続けることに批判を受けたのである。
そもそも介護保険制度は2000年より開始されたものである。要介護の状態にある人が介護サービスを利用した際に国と地方自治体が費用の一部を負担するという制度であり、その財源は国民より徴収された介護保険料より賄われる。この制度が開始されて以降、多くの企業がこの分野に参入したのであるが、その中で最大手であったのがコムスンであった。
介護報酬の不正な受給を受けたコムスン、そしてその親会社のグッドウィル、そしてグループの総帥である折口氏はもちろん重大な法令違反者として非難を受けるべきである。国民の財産を一企業の利潤のために食いつぶした罪は大きい。しかしながら最も非難されるべきであるのは監督責任のある厚労省と地方自治体である。介護サービスを民間が行うことによって競争原理が働き、サービス水準が向上する側面があることは言うまでもない。しかしながら、民間企業が事業を行う上では採算性の確保は必須事項であり、採算性の低い離島の一部や過疎地などでは参入している事業者が少ない現実もある。また利用者が介護施設で受けた各種サービスを客観的に証明する第三者がいないのも一つ問題である。監督官庁としてこの制度の導入ありきで問題点について深く検討を行わなかったことが今回の事態を引き起こした一因でもある。
いずれにせよ今回の一件で影響を受けるのは介護サービスの利用者である。今受けているサービスが今後も受けられるように迅速に問題解決を図っていくべきであろう。また介護報酬の水増しといったケースが起こらないよう厚労省や地方自治体には各時牛所への監視を強化してほしいと切に願う。