団塊の世代が大量退職する2007年。退職金と年金でこれから暮らしていこうと思う人も多いはずである。しかし年金が一部貰えないという困った状況が発生している。今回は年金記録問題について述べようと思う。
日本では1942年から厚生年金が、1961年から国民年金が開始された。業務の効率化のために番号で管理されていたが、この2つの制度は管理も別であったため、転職や就職などで加入する年金が変わると2つ以上の年金番号を保有する人も多数いたのである。その後、政府は1997年に1人につき1つの基礎年金番号制度を導入する際に、以前の年金番号を基礎年金番号に統合を行うことになった。
この統合を行う際、社会保険庁は複数の年金制度に加入したことのある人に対しはがきを送付した。対象者はこのはがきに必要事項を記入し返送することで統合が行われる仕組みだった。しかしながらはがきの郵送と返送という仕組みのみで統合を行ったことから引越し等で住所不明になり、対象者本人にまではがきが届いていないケースが多数発生していた。社保庁も返信のなかったことに対しそれ以上の究明を行わず、統合できなかった過去の年金記録は不明のまま約5100万件の記録として残っていたのである。結果的に不明の年金記録を元にした年金支給が行われなかったため、一部の受給者は本来よりも少ない受給額しか得られていない状況が発生している。
この基礎年金番号への移行時に年金記録の不明が多数発生しているのことを明らかにしなかったため、今日に至るまで気づかなかった人も多い。政府は心当たりのある対象者は届け出ることで、過去の年金記録を調査を行うとしている。
しかしながら、これはあまりに不親切ではないだろうか?年金は20歳以上の国民に課されている義務である。国民から年金保険料を徴収することで、現在・未来の年金受給を保障している制度である。負担する側の感覚としては税金とほぼ同じである。税金の滞納は管理できて、年金の納付管理が出来ないというのはあまりにも都合のいい理屈である。基礎年金番号制度を導入したのは、行政側の年金管理の効率化という一方的な都合でしかない。その際の不手際に対して行政側が責任を負うのは当然の責務であろう。政府には不明の記録を徹底的に全件調査する必要があるだろう。
以前から指摘されている官製談合や無駄使いに加え今回の問題が発生したことで、社保庁への信頼は完全に失墜した。今はこの問題への対応を最優先に行い、問題が終結した時点で解体していくべきである。