半夏生
水辺いろどる
コイの路



産まれる前は
この路を通ったのだろうかと
思い込みたいほど
美しい

水路の上を
小舟で運ばれながら
白いアーチで

祝福をうけたのだろうか?


私の魂は

この世とあの世のさかいを

水路を泳ぐコイのように

通りぬけたのかもしれない


 受粉の時期に葉が白く染まります


あの世へと旅立った
姪っ子は
まだ白いまま
逝ってしまったから

半夏生が美しい
六月十八日
きっとこの白い路を
とおっていったのかもしれない