残業続きで

クタクタになった帰り支度で

女子ロッカーで見つけた

コガネムシ


床にぐったりしてて

動かない

誰かにくっついて来ちゃったんだろうけど

こんなとこにいたら死んじゃうから


せめて外に出してやりたくて

拾いあげた

そばに来た女性は

目をまるくしながらお疲れ様をしてくれた


しばらくじっとしてたのに

元気を取り戻して

指を這いはじめて

飛び上がったよ


蛍光灯めざして

何度も何度も

体を打ちつける

自然光と勘違いして


なけなしの力を

振り絞って

本能のままに

光を求めているのに


かわいそうに

ただ体を傷つけながら

君が向かっているのは

偽物の光


ここには君の望む

生きる糧はなにも

ありはしない

地獄のようなところ


力尽きるまで

体を打ちつけて

ふと羽音が止まって

無音になった


かわいそうに

人の世の仕組みに翻弄されて

なにもわからないままで

力尽きようとしている


せめて虫の世界に

戻してあげたいから 

辺りを見渡したら

ロッカーの上に止まってた   


今度はどっかに行かないように

胸ポッケに入れておこう 

お家に連れ帰って

果物をあげよう

 

最後は元気になって

おかえりなさい

君の生きる世界に

元にいた世界に



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生きるには

困らないけれど

身体や心の不具合は

誰にでもあるもので


そんなものは

数えはじめたら

きりが無くて

いつも向き合ってるわけじゃない


けれど積み重なった不具合は

嫌でも目に入ってしまって

誤魔化しがきかなくなって

向き合わざるを得なくなる


同じことが繰り返されるのは

変わってないから

上っ面じゃなくて

奥深く見えないところから


中をえぐるのは

ちょっと見たくないものまで

見えてしまいそうで

気が進まない


汚物のようなものが

泥のように沈殿していて

盲目と勘違いの日々を

苦笑いしたくなる


他者の苦しみは

明日の我が身ではなく

今の我が身

そう熊本のように


だから怠惰の中にいても

少しずつ少しずつ

変わりたい

手と足を動かして



https://open.spotify.com/playlist/0DASVCGRFxDZIXsC8VeA6c?si=ASnR4PbvSTaoPSD4jtHDrQ&utm_source=native-share-menu&pi=3EbchJi1SSq5F




自分好みのハーブティーは
自分で作ればいいけれど
出来上がったものは
とりあえず味わうでしょ

シンプルな味はつまらないから
ブレンドを選ぶけれど
その組み合わせは
個性とクセの紙一重

受け入れたい思いと
抵抗する思いが
舌の上で
着いたり離れたりする

嫌ならば
飲まなければいいのだけれど
それでも良さを見つけるまで
味わおうとしてしまう

好きな味は
安心するけれど
正体が分からない感じは
沼にはまるような心地だよ

分からないまま
飲み続けて
いつの間にかに
飲まれている

クセ強なハーブティーに
乗っ取られている
ガラスで作られた
いつもの器に注がれて

不安定に置いちゃった
器は冷蔵庫を開いたら
茶色い床にガシャンと
当たりに行ったよ

木目に染み込むハーブティー
キラキラと輝いたガラスの破片
一瞬で靄を
一掃しちゃったよ

いつもの器は
もう割れたけど
クセ強なハーブティーは
床を爽やかな香りに包んだよ

新しい器を
新調しなきゃね
今度は落としても割れない
強くてカッコいいのがいいな