ふと足元に
アオスジアゲハ
青が美しいけど
死んでいた

すぐ近くにも
七光りする虫
蟻がたかっていて
とうに死んでいた

死にゆき搾取される
この美しい昆虫たちは
元々は醜い幼虫で
変態をくり返し今の姿へ変わる

最後の変体では
身をドロドロに溶かして
溶かして溶かして
美しく変わる

完全変態を遂げて
手の届かない存在となれど
いのち尽きれば
簡単に触れられる

それでいいんだろう
死んでも
必要とされるものに
必要とされるがままに