着物をジャケットとベストにリメイク | 洋服直し屋の日常

洋服直し屋の日常

服の直しや仕立ての仕事をしています。
日常で出会ったおもしろいこと、服の製図や
自分でできる修理方法など書いています。

           着物をジャケットとベストにリメイク

(70才くらいの主婦らしき女性)

「10年まえにここ(私の店)に来たことがあります。
皮のベストを修理してもらいました」

ところが、私にはまったくその記憶がない。
私は修理が済みお客の手に渡ると、依頼された仕事はすべてクリアされてしまう。

「仕上がったきり、一度も着ていない着物をほどいてきました。
これをジャケットとベストに仕立ててもらえませんか?」

カウンターに置かれたその着物を見て、おどろいた。

このあでやかな色彩と柄は、玄人の小粋な姐さんたちが好む『付下げ』だ。

(訪問着ほどハデではないが、部分的に模様が入り、女の色香漂う格式のある着物)
 

だが、化粧っ気のない普通の家庭の主婦が着ると、着物だけが浮き上がってしまう。

「きれいな着物ですね!どうして一度もお召しにならなかったんですか?」
あえて尋ねてみた。

「反物のときはひと目見て気に入りました。これに
白い帯を締めたらステキだろうなと思ったんです。ところが仕立て上がったのを見て、
艶やかすぎて私には着こなすのはムリだと悟りました。
そのまま30年、タンスに眠っていました。
最近、これを洋服にしたいと思うようになったんです。流行に左右されない
長く着られるデザインを考えてくださいませんか?」





ジャケット類は襟の流行がはげしい。ステンカラーなら流行はない。




ベストが好きだとおっしゃるので、もっともポピュラーなデザインにした。
下にはセーターが着られるようにゆったりめにとの要望だった。






桜開花のころ、秋晴れの透き通った碧い空の下、行き交う人を
楽しませる一着になったら私も嬉しい。


ところで、
テーブルの上にある丸い筒は、ペットボトルを再利用した簡単小物入れです。
このお客さんへのおまけに作りました。


え? こんなに簡単にできるん?アイロンも要りません、手縫いでできます。

来週その作り方をUPしますので、

生地(しっかりした綿素材、ペラペラしていないもう要らないシャツなど)を
用意しておいてください。ボトルはなんでもいいです。

飲料用より、しょうゆ類などの垂直で安定性のあるボトルがいいですよ。

コンパスもあるといいな♪

 

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