スプレーガンの分解修理 ~塗調ガイドセットの交換編~ | Marr's Weblog 〜手作り家具や雑貨を作る木工房のあれこれ〜

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大阪で家具やインテリア雑貨を手作りで制作している木工房 Marr’s wood craf (マーズウッドクラフト)のブログです。
オーダー家具や木工制作について紹介していきます。

スプレーガンのエア漏れ修理

前回の記事、~ニードル弁パッキンの交換編~の続きです。

ニードル弁パッキンの交換ではエア漏れが直らなかったので、

他に考えられる原因は塗調ガイドセット空気弁シートセットのどちらかです。

どちらも消耗品なので分解して交換します。

 

塗調ガイドセットの交換

モデルは、アネスト岩田 W-200シリーズ 吸上式 です。

 (W-100シリーズも消耗部品は共通のようです)

 

先に塗料調節ツマミとニードルを外します。
外し方は前回の記事をご覧ください。
 
 
スパナ等を使って塗調ガイドセットを外します。
空気弁と空気弁ばねは手で引き抜けます。
 
 
塗調ガイドセットの中にもパッキンが入っていますが、
ゴムが劣化して硬くなっていました。
この部分も塗調ガイドセットとして販売されているので、
ゴムパッキンのみの交換とはいかないようです。
早速、取寄せた新品のパーツと交換します。
 

 
 
右が新品。
先が白いプラスチックに変更されたようです。
この中にゴムパッキンが入っています。
 
さて、それでは分解と逆の手順で組み立ててエアホースに繋ぐと、、、、、
 
 
 
 

おぉ!全くエア漏れの音がしない!

 

どうやらエア漏れの原因は塗調ガイドセットにあったようです。

トリガーを引く前のエアーはここと空気弁で遮断できないと、

その先の経路のどこかで漏れてしまう構造のようです。

 

最初に疑ったニードル弁パッキンは、そもそもエアーではなく塗料漏れを防ぐもので、

空気弁が閉じていればエアーが回り込むことのない位置にあり、

部品どうしの嵌合は甘くなっているようです。

 

何はともあれ、これでまたストレスなく吹き付け作業が行えます。

 

空気弁シートセットの交換

エア漏れの修理は終わりましたが、せっかくなので空気弁シートセットも交換しておきました。
仕事が詰まってくるとなかなかメンテナンスができないので、
時間のある時にオーバーホールしておけば、作業効率もアップします。
 
 
塗調ガイドセットと空気弁を外した状態です。
中に見える六角形が空気弁シートセットで、
これを外すには10mmの六角棒レンチが必要です。
 
 
こういう時のために、各サイズがセットになったものを用意しておくと良いですね。
これで空気弁シートセットが外に出てくるまでクルクルと回し続けます。
 
 
右が新品。
プラスチック製で、古い方は黄色く変色しています。
これも先の方にゴムパッキンが入っていて、新品と比べると効きが悪くなっていました。
さらに劣化すると変形してエア漏れの原因となるようなので、早めの交換が良いと思います。
 

 

 

 

さて、この空気弁シートセットを取り付ける際には注意が必要で、

強く締め過ぎると変形してエア漏れを起こすようです。

メーカーのホームページの説明では、

「軽く締め込み、ぶつかってから約30度締め込む」と書かれています。

 

実際に取り付けた感じでは、最初は軽くクルクルと回って入っていき、

しばらくすると少し抵抗が出てきます。

それでもごく軽い力で回るのでそのまま締めていくと、ピタッと止まる所があります。

ここから少しだけ力を入れて約30度回して締めればOKです。

 

この後は分解と逆の手順で組み立てて完成です。

 

ブランド力や信頼性のあるメーカーの製品はメンテナンスしやすい

 
修理ついでに全体を拭きあげて、新品のような輝きが戻りました。
綺麗な道具で仕事するとやはり気持ちのいいものです。
 
今回の修理で感じたのは、安物買わなくて良かった!ということです。
メーカーが消耗部品をパーツのみで販売していて、
メンテナンス方法をWebで公開してくれていたので簡単に修理できましたが、
ノーブランド品ではこうはいきません。
まずパーツのみの販売はしていないものばかりで、修理の情報を得ることもできないでしょう。
不具合が起これば修理できず、使い捨てになる可能性が高いです。
 
永い目で見れば安物を買い替えながら使うよりも、良いものを修理しながら使い続ける方が、
コストパフォーマンスの面でも、使い勝手の面でも優れていると思います。
道具選びは本当に重要だなと感じたメンテナンス作業でした。