ジューンベリーの花。

 

雪組全国ツァーが無事に開幕した。

おめでとうございます!

これまで上演された「仮面のロマネスク」は

高嶺ふぶきさん主演をスカイステージで拝見したことがあります。

花總まりさんがとても印象的でした。

今回は、朝美絢さんが主演ということで、より良く理解するために原作を読みました。

手紙形式なので,読む方の想像力が必要なのだと思うのだけれど

読んでいるうちに

段々辛い気持ちになりました。

 

なぜ?

 

一つは、トゥールベル夫人の悲痛な思いに触れて。

もう一つは、ヴァルモンの生き様と最期の哀しさ。

 

フランス革命前夜の貴族の世界を描き、

実際にメルトゥイユ侯爵夫人のモデルもいたとのこと。

ヴァルモンは徹頭徹尾孤独で、前向きに人生を語れる友人がいない。

女性に誘惑を仕掛け、相手が受け入れてくれることで

自分の存在価値を確認し、

孤独をいやしていたように感じます。

 

メルトゥイユ公爵夫人については、まったく理解できません。

当時の貴族の女性の生き方が、

独身であれば地位によって自由な行動を認められるからか

夫の地位で身を守るか

だけだったから?

恋に勝利する以外に、貴族女性が自分を誇れるものがなかったから?

 

働かないで生きて行かれる貴族というあり方が生み出した不毛な人生だなあというのが

読み終わった後の感想でした。

 

仮面のロマネスクは

宝塚の脚色なので原作からは独立したものですが

主演たちの美貌で

不条理なお話に説得力を持たせているという感想がありました。

私は、ヴァルモンの孤独が描けていたらいいいな、と期待します。

ひたすら哀しい人・・

 

実際に観劇できるのは5月の愛知の会場なので

それまで色々な方々のブログを読ませていただき

想像して過ごしましょう。

 

ところで、

例の上演再開のこと。

パワハラで誰かが(支配下にあった従業員が)自死した場合、

その原因となったパワハラを認めたとしたら

普通の会社ではパワハラした人物の責任が問われる。処分は免れない。

大人だったら,責任は取らなければならない。

場合によっては、法的責任まで問われかねない。

 

演劇の世界は別、というのだろうか?

例えば、これが歌舞伎界で起こったとしても、

やはりその人物をすぐに主演として復帰させることはないだろう。

 

下級生が舞台を踏む経験が奪われることを避けるのだとしたら

パワハラを行った人物を外して再開することもできた。

その人物が、

両親が野球界や宝塚OGではない普通の人だったら

もしかすると今回のような待遇は受けなかったかもしれない。

 

今後、パワハラは起きた場合

結果として被害者に多大な不利益があった場合

謝罪の手紙だけで、他には責任は問われないのだろうか。

 

どなたかは、当人の良心に賭ける、と書かれていた。

今となってはそれしかない。