精神科医・春日武彦氏による極めて「不謹慎」な

自殺の論考。


出版は2023年10月。

春日武彦氏の出版した本の中ではかなり最新の本。


春日武彦氏の患者が現実に自殺したリアルな話も

書かれてます。


自殺は良くない。

自分が担当した患者が自殺してショックだった。

後悔してることがある。


といったような内容では全くありません。


淡々とかなり詳細に書かれてる。

グロテスクな内容も書かれてる。


この本を読んで抱く感想は人それぞれでしょうが、


私はとても嫌な不愉快な気分に襲われました。


この人、サイコパスなんじゃないだろうか?

なんて思ってしまいました。


自殺を7つの型に分類わけしてます。

もちろん彼自己流で。


①美学・哲学に殉じた自殺

②虚無感の果てに生じる自殺

③気の迷いや衝動としての自殺

④懊悩の究極としての自殺

⑤命と引き換えのメッセージとしての自殺

⑥完璧な逃亡としての自殺

⑦精神疾患ないしは異常な精神状態による自殺



7つ目の精神疾患ないしは異常な精神状態による自殺


飲酒によって性格がガラリと変わる人がいる。

アルコールによって抑制が外れ、逸脱して自殺に至る人

もいると書かれてますが、


精神科医春日武彦氏、

向精神薬により性格がガラリと変わる人がいる。

抑制が外れ衝動的になり自殺する人もいる。


とは、

一言も言及してません。


精神科医なのですから、

ベンゾジアゼピン系薬とアルコールが限りなく近い

作用であることを知ってるはずなのに。


自殺の危険を考慮に入れるべき精神疾患として、

「うつ病」が第一に挙げられよう。

説明されてますが、

抗うつ薬に自殺の副作用が添付文書にも記載されてることには触れていない。


あくまで「精神病であるウツ病が自殺の原因」という

スタンス。


しかも、

うつ病なら、適切な治療によって自殺を防ぎ得る。

と、

言ってます。


春日武彦氏は1951年生まれ。

現在70代半ば。

まさに向精神薬で精神病患者を治療してきた全盛期に

精神科医をしてたお方。



ところで、

この本の最後「おわりに」という章で個人的なことを

書かれてます。


2年後に精神科医としての臨床医を辞める決断を

されたとのこと。


精神科医はご自身にとって天職と感じてたけど、

現在、昨今の精神医学のありようそのものが嫌になったのが大きな原因のようです。


製薬会社の手先と成り果て、脳の検査に明け暮れ、

あるいは、

生化学や遺伝子などの研究に我を忘れ、

目の前の患者よりもマニュアルやエビデンスを

重視してる。


この業界に「ウンザリ」したんですって。


おそらく、

彼自身は製薬会社の手先と成り果てなかったという

自負はあるようです。

(ホンマかいな?)



何十年と精神科医という仕事をしてきたのは、

さぞかし大変ではあったことでしょう。

お疲れ様でした。





メンタルが不安定だったり弱ってる人には

お勧めしません。


自殺の話ばかりですから。




この本を読んで、

何故か「ドグラマグラ」を思い出しました。


うまく表現できませんが、

読んだ後に「気持ち悪さ」が残る。


しかし、

精神科医って患者が自殺しても、

まるっきり自分のせいでは?という呵責は感じないものなのでしょうか?


自分が処方した薬で衝動的になり自殺したかもしれないとは思わないのでしょうか?


自殺までいかなくとも、

自分が処方した薬で廃人みたいになった時、

胸は痛まないのでしょうか?


それこそ

サイコパス気質じゃないとできない職業ですね。