「脳を惑わす薬物とくすり」

なんか、
おどろおどろしい表紙の本です。


脳に直接変化をもたらす薬物!!

近年世間を騒がせている薬物による痛ましい

事件・事故!!


とりあえず、
これらの危険な薬物は、
この本の中では、
麻薬や覚醒剤や危険ドラッグ。


でも、
そう書きながらも、
本書の中では睡眠薬や精神安定剤という
シロモノも出てきてます。


日本の薬物規制に関する法律という
一覧表にも、

それらの違法薬物と並んで、
しっかりと向精神薬は表記されてます。


アヘンや大麻や覚醒剤等の違法薬物と、
「くすり」とされてる風邪薬や頭痛薬や睡眠薬や向精神薬。


これらの違いは何でしょう?


実は科学的な分類や区別ではないそうです。

社会常識、法律による分類

だそうです。

ゆえに時代や国によって、
その分類は異なるわけです。

大麻が合法の国も存在します。


覚醒剤は違法薬物の代表ですが、
戦後間もなくまでは合法であり
「くすり」として使用されてました。

日本の製薬会社が「くすり」として
製剤し、販売してたわけです。

戦争中は政府が国民に覚せい剤を与えてたわけです。


日本政府は兵士に覚せい剤を与え、
特攻隊員として片道分の燃料だけ積んだ
戦闘機に乗せ戦地へ送り出したわけです。

前途ある若者が覚せい剤を与えられ、
正常な判断力を麻痺させられた

上で、
命を散らされたわけです。


現代では
「向精神薬」という分類にカテゴライズされた薬物は合法です。


でも
科学的には程度の差こそあれ、

脳に直接変化をもたらす薬物としては、
同じカテゴリーに存在するわけです。


違法薬物が、
近年世間を騒がせている痛ましい
事件や事故に関わってる。


これ、
そのまま
世間を騒がせてる痛ましい事件や事故の陰に、
精神科や心療内科が処方してる向精神薬物が潜んでるのは、
知ってる人は知ってる事実。



大半の人が知らないのは、
マスメディアが報道しないから。

悲惨な事件や事故で犯人が違法薬物を
摂取してた時は、
大きく報道しますが、

犯人が精神科や心療内科に通院していて向精神薬を摂取してた!

とは報道しないわけです。


相模原障害者施設殺傷事件の犯人、
植松聖が大麻常習者なことは報道されても、

池田小学校事件の犯人、
宅間守が精神科に通院していて
抗うつ薬パキシルを処方されてたことは
大きくは報道しませんでした。


ちなみに
宅間守は
「精神科に飲まされた薬で自分は変になった!
人生をダメにされた!」

と 
主張してました。

当時は、
わたしは向精神薬の知識は皆無でしたので、

何訳の分からないこと言ってるんだ!
薬のせいにして論外!


思ってました。


ところで、
この本では
「脳を惑わす薬物」
つまりは、
「脳に直接変化をもたらす薬物」

について書かれてますが、

そのまんま向精神薬に該当すると、
改めて驚きました。

その特性は下記のようなものです。




一度薬物の影響を受けてしまった脳は、
ずっと長く影響を残す。

ダメージを与える後遺症。

脳が受けたダメージの治癒は困難。

断薬したとしても、
精神的な不安状態は残り、
怒りやすくなったり、

情緒不安定になる。

離脱症状と後遺症。

依存性。



この本の著者である化学者の齋藤勝裕氏も、

「毒とくすりは紙一重」

と言ってます。


向精神薬オタクでもない限り、

違法薬物と
医師が処方するお薬は全く違うものと
信じてますし、

向精神薬は麻薬だ!

なんて言われると、
向精神薬を飲んでる人は怒ったりもします。


当然でしょう。


わたしも全く知りませんでした。


「麻薬および向精神薬取締法」

なんて言葉すら知りませんでした。


厚生労働省の違法薬物ストップ!



みたいなHPを見た時に、
向精神薬が掲載されていて、
睡眠薬の写真を見つけた時は、 

心底驚きました。




信じられない!!
自分がそんな薬を飲んでるなんて!

という驚愕です。


そのような知識が事前にあり、
納得して覚悟して服薬してる人とは、
また違う衝撃を受けたと思います。


とにかく、
この本では、

脳に直接影響を与える薬物の恐ろしさを
化学的に説明
してます。


そして、
このような言葉で結んでます。


「汝薬物に近寄ることなかれ」

もちろん、
筆者は違法薬物に対して言ってる
のでしょうが、

その作用機序からしても、

向精神薬にも言えるとわたしは思ってます。




神経細胞って、
脳にだけあるものではありません。

体中に張り巡らされてるんです。




脳と筋肉や各種器官の間では情報伝達が行われてます。

その情報の通り道が神経細胞。

全身にはりめぐらされてる。


だから、
薬の影響は全身に現れる。

脳の神経細胞に直接影響を与えるということは、
全身にも影響を与える。


わたしの全身が痺れてるのも、
痛くなるもの、
まぁ、
納得です。








体力をつけ、

倦怠感や眠気を取り除き、

作業の効率を高め、

集中力を増すと謳われました。



ほとんどADHDの薬の効果と同じじゃん。