北米大陸にイギリス人が入植して400年を迎えるのを記念して、イギリスのエリザベス女王は、国賓として夫君エジンバラ候フィリップ殿下と共に16年ぶりにアメリカを訪問し、ブッシュ大統領就任以来最大級の歓迎を受けました。


今月3日にアメリカに到着し、



最初の入植地バージニア州ジョージタウンをチェイニー副大統領の案内で視察後、



ケンタッキーダービーも観戦し、



7日のホワイトハウスの歓迎式典では、エリザベス女王エジンバラ候は21発の礼砲で迎えられ、



夜にはブッシュ大統領就任以来初めての正式な晩餐会に出席しました。

ブッシュ大統領が大統領に就任して以来、ホワイトハウスは正式な晩餐会を開いていなかったので、7日の準備に向けてスタッフは準備に追われて大変だったと聞いています。



晩餐会はホワイトハウスの庭園サウスローンで催され、食器類は最高級の陶磁器、クリスタルガラスが使用され、5品のコース料理でもてなされ、外交官、議員、閣僚などの米国政府要人7000人が招待され、ドレスコードはホワイトタイ着用の指定がされていました。



社交界のマナーでは、男性はホワイトタイを着用した燕尾服

女性は白を基調としたイブニングドレスを着用するのが、最高位のパーティーです。

形式は着席の晩餐スタイルから、舞踏スタイルまであります。

今回ブッシュ大統領が主催した正餐会は「ホワイトタイ着用」のドレスコードが指定されていたので、国際的にも最高位の催しとなります。


エリザベス女王白のイブニングドレスを着用し、イギリス最高位のガーター勲章を着けた最正装で臨んでいました。



ニューヨーク・タイムズ紙はこの晩さん会について、「特権階級の人々は2つの異なる文化、つまり『大威張りのテキサス流』と『お上品な英国流』の衝突を、間近で目撃することになるだろう」と論評していました。

ブッシュ大統領は過去6年間の任期中に国賓を計8回招いていますが、堅苦しいことの嫌いな大統領自身が燕尾服を着用したのは、今回が初めてでした。



晩餐会の準備はローラ夫人を中心として取り仕切られ、アメリカのメディアはこうしたドレスコードについて夫人自身が「全面的に支持している」と伝えて、開催前から話題になっていました。

しかし、ローラ夫人のドレスは、美しくはありますが、最正装とはいえなかったのが残念です。



他の招待客には、ディック・チェイニー副大統領コンドリーザ・ライス国務長官ピーター・ペイス統合参謀本部議長なども名を連ねており、ライス国務長官はいつもながら華やかな装いでの出席でした。



エリザベス女王エジンバラ候は、8日、アメリカを後にしています。



既に81歳エリザベス女王には、健康上の問題は抱えていないものの、国際舞台での外交はこれが最後になるのではないかという気がします。世界の君主の中でも最も敬意を以って迎えられる君主の一人であるエリザベス女王ですが、今回のアメリカ訪問では、急にお年を召したのを感じないではいられませんでした。