日本では「スノードロップ」とひとくくりに呼んでいますが、実は、英語でスノードロップ(Snowdrop)またはコモンスノードロップ(Common snowdrop)と呼ばれている本来のスノードロップは、南東ヨーロッパ原産のガランツス・ニヴァリス(Galanthus nivalis )という植物ですが、15種ほどあるガランツス属の植物すべてを「スノードロップ」と総称してしまっています。
学名「ガランツス・エルウィジー」(Galanthus elwesii)は、「Galanthus」がギリシア語のgala(乳)とanthos(花)の合成
語で、『乳のように白い花』を表現しています。
英語のGalaxy(銀河系、天の川)という言葉はギリシア語のgalaを語源とした語です。
そういえば、天の川のことをMilky Wayとも言うでしょ?
古代ギリシアでは、女神・ヘラの乳房からほとばしった乳によって生まれたとして、天の川のことをガラクシアス(乳の川)と呼びましたが、それが変化して英語のGalaxyになったというわけで、「天の川」の英語の別名Milky Wayは、まさにガラクシアスの直訳なのです。
スノードロップは名前の通り、花びらが「雪の雫(しずく)」のようで、見た目のままに命名された花のように思えますが、それは間違いらしいのです。
この場合の「ドロップ」は「イヤードロップ(耳飾り)」の意味で、つまりスノードロップとは「雪の耳飾り」を意味する名前だったのです。
日本では、「待雪草(まつゆきそう)」、「雪の雫」、「雪の花」といいますが、「雪の花」は、ドイツ語名の「シュネーブルーメ(雪の花)」が和訳されたものです。
冬の長いヨーロッパで春を待ち望む象徴のスノードロップの物語を次回ご紹介します...