X'mas ⑫ クリスマス
  ~栄光と平安あれ~


ヨーロッパのクリスマス

ヨーロッパはクリスマス前1ヶ月から新年1月6日頃までを「待降節(アドヴェンド)」と呼ばれ、国のあちこちでたくさんのお祭りやパレードがおこなわれます。すべてが凍りつくような寒さのなかで催されるクリスマス市場や移動遊園地、黄金色の電飾で静かに飾られた街並みはノスタルジックで、まるでおとぎ話の世界のよう。深々と降る雪の中、人々は家族と暖かい部屋のなかで感謝と愛を込めてクリスマスを祝います。ヨーロッパの国の一部では、サンタクロースのモデル、聖ニコラウスの誕生日である12月6日にプレゼントを贈る習慣もあるとか。



アメリカのクリスマス


ニューヨークやラスベガスでは、12月25日を盛大なカウントダウンで迎えます。花火やクラッカー、盛大なイルミネーションのなかで大勢の人が集まって歓声をあげる様子はまるで日本の大晦日。イヴの夜にカウントダウンが終わってクリスマスになると、あとは日本のお正月のように家で静かに過ごします。子供たちへのプレゼントはひとり2~3個贈られ、クリスマスツリーの下に置かれます。そして25日の朝、家族揃ってプレゼントを開きます。
そんなアメリカではクリスマスが商業化されている部分もありますが、そこは多民族の国、クリスチャンも多くいることから、宗教的なクリスマスを過ごす人もたくさんいます。日本のクリスマスは、アメリカの商業的なところがクローズアップされているように感じますよね。


アジアのクリスマス


クリスチャンが人口の半分以上を占めるフィリピンでは、宗教的意味合いの強いクリスマスを過ごします。

では仏教の国であるタイや儒教が重んじられる中国では、どんなクリスマスを過ごしているのでしょう? 実は、タイや中国でもクリスマスイベントが楽しまれているのです。いつもは敬虔な仏教徒であるタイの人々ですが、定番の白いひげに赤い服のサンタクロース、クリスマスツリー、そしてプレゼントの交換がおこなわれるそうです。サンタクロースの風貌は、少しアジアの香りが漂っているとか。
中国では数年前からクリスマスのイベントがおこなわれるようになったそうです。各国のチャイナタウンで盛大に祝われているのとは逆に、本国では街に少し飾りが出て、「今日がクリスマスなのか」と思わせる程度。
ちなみに中国語でクリスマスは「聖誕快楽」と言います。




今回このBlog記事のために、世界のクリスマスの過ごし方を調べてみて・・・

世界の様々な宗教、人種の国々で、このクリスマスはちょっと特別な感覚を人々にもたらしているのだと感じました。

地球上には、平和な国、豊かな国、笑っている国もあれば・・・

戦闘の中にある国、食べるものがなく飢えている国、悲嘆にくれている国があることを思うと、切なくなります。

第一次大戦時、主にヨーロッパが戦場だったこの戦争では、「クリスマス休戦」といって、この日だけは戦闘を止め、敵も味方も隔てなくクリスマスのときを過ごしたと聞いたことがあります。

生誕の地であるエルサレムでも、インティファーダによりキリスト教徒の訪問が激減し、地域に住むイスラエル人キリスト教徒の生活が脅かされていることを知り、私たちが美しくデコレートされた街の中に笑顔で過ごしていることを思うと、心が痛みます。

クリスマスが私たちにJoyをもたらすときであるだけでなく、平安のときであることを切に願います。