X'mas ⑦ クリスマス・ケーキ
~クリスマス・ディナーのお楽しみデザート~
クリスマス・ディナーの楽しみの一つが「クリスマス・ケーキ」ですよね。
クリスマス・ケーキには特別な由来はなく、25日に家族でクリスマスを祝ってのディナーの中で出されるデザートで、日本ではスポンジに生クリームとフルーツを飾り、サンタさんのスポックなどを刺したケーキが一般的ですが、世界では、国によってクリスマス・ケーキの特徴があります。
今年のクリスマス・ケーキは手作りですか?
購入を予定している方は、もう今日くらいが最終予約でしたが、大丈夫ですか?
我が家は今年、クリスマス・プディングを予約しました。
クリスマス以降にお味をまたお知らせしますね。
<ブッシュ・ド・ノエル>(bûche de noël)
フランス語で「ノエル(noël)」はクリスマスで、「ブッシュ(bûche)」は丸太の意味で、「ブッシュ・ド・ノエル」はクリスマスの薪という意味になります。
その名の通り、薪を横たえたような形をしているのがこのケーキのデザインの特徴で、フランスの代表的なクリスマス・ケーキです。
作るのも意外と難しくなく、鉄板に生地を流して薄くスポンジを焼いて、クリームやジャムなどを塗ってロールケーキを作り、ココアなどを混ぜた表面に塗り、フォークで樹皮に見えるように筋を入れます。雪が降ったように粉砂糖を振りかけてもいいし、葉っぱなどを飾ってもいいでしょう。
なぜ薪の形なのかについては幾つかの説がありますが、一つには「キリストの誕生を祝い、暖炉で夜通し薪を燃やした」ことに由来するとも言われます。
ただしクリスマスがキリスト教以前の冬至祭を起源とするのと同様、元々北欧の古い宗教的慣習から続くものとの説も存在します。
<クリスマスプディング>(Christmas Pudding)
イギリスの伝統的なクリスマス・ケーキです。
ジョージ1世はドイツ系で、ドイツで生まれ育っているので、国王に即位して、初めてイングランドでクリスマスを迎えた1714年、濃厚な味の干しブドウ入りのプディングを口にしたことで、このケーキが大人気となりました。
多くのイギリス国民はこれを真似て、干しブドウ入りプディングを買える人たちはその後クリスマスにこれを食べるようになりました。
やがて1836年になると、クリスマス・プディングと呼ばれるようになり、チャールズ・ディンケンズが「クリスマス・キャロル」の中で見事に描写したおかげで、この時期のご馳走を象徴するものになりました。
プディングを作る前に、小さな飾り物やコインを中に入れておくことになっています。
これは元々「十二日節夜のケーキ」の中に入れられていましたが、その習慣がクリスマス・プディングに移行したようです。
味がとても個性的なので、今日では色々な味のものが作られ、総ての人の好みに合うように工夫されているようです。
プラム・プディングとも呼ばれ、生パン粉と小麦粉、牛脂(ケンネ脂、もしくはバター)、卵、砂糖、ブランデーなどにつけて柔らかくしたドライフルーツ、クルミなどのナッツ類、香辛料(ナツメグ、シナモン、クローブなど)、ブランデーやラム酒などの材料を混ぜ合わせて一晩寝かせ、型に流し込んで蒸します。
蒸しあがったものは数日から数ヶ月熟成させられる。この熟成期間が長いほどおいしいという俗信もあり、「クリスマスプディングを食べ終わったらすぐに、来年のクリスマスプディングを作り始める。」といわれるほどです。
食べる前に再度蒸し、切り分けて、ホイップクリームやカスタードクリーム、もしくはブランデーバターソースを添えて出します。
食卓上でブランデーをかけ、部屋の明かりを消して火をつけるといった演出が行われることもあります。
各家庭の味とレシピがあり、イギリス人にはこれについてなかなかこだわりを持つ人が多い(日本のお雑煮の例を想像すると理解しやすい)。
日本人が想像するケーキではなく、どちらかといえばずっしりと中身の詰まった蒸しパンに近い感じです。
プディングの中に指輪やコイン、指貫などの小物を混ぜ込み、切り分けられたときに当たった人の運勢を占うといった趣向を凝らす場合もある。
ドイツのクリスマス・シーズンになくてはならないお菓子です。シュトーレンとも。
ブランデーなどに浸けておいたドライフルーツを、たっぷりのバターと一緒に練りこんで焼いた長細いパンです。
普通のパンと違ってかなり重くて日持ちが可能です。
パンというよりはお菓子、ケーキとして食べられていますが、私たちの日本で普段見るケーキとはかなり違います。
自宅で作るほか、クリスマス・マーケットで買う事も多いようです。
シュトレンという名前は「坑道」を意味し、トンネルのような格好をしているためにつきました。粉砂糖をたっぷりまぶしてあり、これが幼子イエスを産着で包んでいるというふうに見たてられているらしい。
クリスマスを待つ4週間の期間であるアドヴェント(待降節 )の各週末には、イエス・キリストの生誕の日が近づいてくるというお祝いをします。
その際、身内や身近な友人とささやかにティーパーティをし、シュトレンを薄く切って頂きます。
ドイツではクリスマスと言えばケーキではなく、シュトレンであると言えるほど、一般的な存在です。
ザクセン州(旧東ドイツ)のドレスデンが、このお菓子の発祥の地だといわれています。
ちなみに、私は待降節の第一の主日を迎えると、ユーハイムの「クランツ」というお菓子を頂きます。
「待降節」にはクリスマスに向けて、お祝いの準備と、喜びを多くの方と分かち合うために、子供の頃にはお友達とたくさんのクッキーやマドレーヌを焼いて、孤児院や少年院に届けていました。そうやって過ごす待降節の4週間を私たちは「クランツ」と呼んでいたので、このお菓子を頂いていました。
でも、見た目がちょっとシュトレンに似ていると思いませんか?
「大きなパン」の意味のバネットーネはミラノの銘菓で、イタリアの伝統的な菓子パンの一つです。
クリスマスケーキとして、あるいはイースター(復活祭)に食べられます。
パネットーネ種の酵母を用いてゆっくり発酵させたブリオッシュ生地の中に、レーズン、プラム、オレンジピールその他のドライフルーツを刻んだものを混ぜ込んで焼き上げた、甘く柔らかなドーム型の菓子パンのこと。
また、アントーニオという職人が焼いたパンだからという説もあり、トーニのパンという意味のパーネディトーニ(pane di toni)が訛ったとされる(トーニはアントーニオの愛称)説もあります。
賞味期限は長く、大体6ヶ月位あり、クリスマスのみならず、冬の季節を通して食べることができます。
ちなみにドライフルーツが入らないものはパンドーロ(伊:pandoro)と呼ばれ、こちらはヴェローナの銘菓です。
最近は明治屋など、大きな輸入食品店では、シュトレンやバネットーネを扱うお店があります。