一昨日からニュースでは、高等学校での履修単位不足問題が深刻に報道されています。
しかし私には、今頃知ったのぉー? 今頃話題になってるのぉー?
・・・という感想です。今更な話題だと感じています。
私は現在12年目になる学習塾を開いています。
多くの小中高校生を送り出し、高校生の塾生も多いので、高校の履修科目や学習内容には疑問を感じていました。
高校ではまず2年次で理系か文系の選択があり、各教科も履修の選択が細かく行われます。
今回話題になっているのは「世界史」ですが、社会の場合日本史/世界史はいずれかを選択するのが殆どで、そこに地理が加われば、
1.地理
2.日本史
3.世界史
の順に生徒の希望は殺到します。
私が塾で直接教えていた頃、担当していたのは主に文系科目で、国語・英語・社会を教えていました。
中学歴史の授業の中で一番定評があったのが世界史箇所で、イギリスのばら戦争~名誉革命に至る講義は毎年好評で、他のクラスの生徒も自分の授業が終わると覗きに来るほどだったので、世界史に興味を持ち、高校進学後の履修選択で世界史を希望する生徒は結構いました。
でも大変稀で、世界史授業のクラスは人数が少ないと言っていました。
私が一番熱心に教えた生徒は現在24歳になります。
しかし私の頃に既に、受験教科における世界史人気は著しく低かったです。
私は大学受験の際、社会科は「日本史/世界史/地理」の中から2教科選択で、大抵の受験生が「日本史と地理」を選択する中で、私は「日本史と世界史」を選択した稀な受験生でした。
世界史は得点し難いというのが常識です。
それを敢えて、大好きな世界史の知識を得ることが楽しかったので、私は自分の意思で一次試験も二次試験も世界史で受験しましたが、事実一次試験での世界史の平均点は低いんです。
世界史のみならず理科もそうですし、数学では旧々指導要領の際には、確率統計を学ばない例は多くありました。
こういうことは結構あるんですよ。
しかしそこには学校側の問題点だけではなく、ご父兄にも大いに責任を感じます。
子供たちは学校選択の際制服で選ぶ傾向がありますが、ご父兄は卒業生の進路を大変重視しますよね。学校側も新規受験生を獲得する為に必死なんです。高3生の進路に学校が真剣になるのは、生徒のよき人生の為ではなく、より偏差値の高い、有名大学へ進学してもらうことで、高校の評価を上げたいからなのです。
なかなか教育方針や現場の姿を知ることはできませんが、偏った学習は人間としてのバランスを崩しますので、学校・ご父兄共に認識を改め、受験偏重にならず、優れた人格育成をする学校を見る目を養えば、教育現場の在り方も変わるはずです。
ようやく話題になった履修科目の単位不足。在校生のみならず、卒業生に対しても長期休暇などを利用してケアして頂きたいものです。
今回露見したことで改善がなされるだろうことを、大変嬉しく思います。
ところで・・・
世界史って面白いんだけどな。