高校時代に保健体育の授業の中で、「葛藤」という章だったと思いますが、<自殺>について授業が行われたことがあります。
全員にわら半紙を半分に切った紙が渡され、先生の問いに対して一つひとつ自分の意見を書いていきます。
細かい内容は覚えていません。
ただ・・・ それが私が自殺について考えた最初の機会でした。
私の自殺に関する考えは極めて簡単明瞭で、
まず、自殺はしてはいけないという考えは明確でした。
その理由は、
自殺したら天国に行けなくなるから。
極めて単純な理由ですが、
キリスト教倫理では自殺は<十戒>の中で定められた大罪の一つであり、自殺すれば天国に行けず、いずれは誰もが迎える死後の世界での、唯一最大の喜びの一つである、亡き家族への再会が果たせなくなることは、私にとって死を迎える意味がない
というものです。
授業の中で一人ひとり意見を述べるとき、私はその自分の単純だけれど率直な意見を述べ、クラスメートに大笑いされました。
でも真理でしょ?
これは不動の理由ですよ。
TVの歴史番組の中で、細川忠興夫人、細川ガラシャの最期を取り上げられる度、私は深く共感と理解を感じます。
明智光秀の娘として生を受け、君主信長の命により盟友細川家嫡男に嫁いだたまは、父の謀反により細川家で窮地を迎えるも、夫の庇護を受けたことへの感謝の気持ちと、細川家正室として家を護るという責任感から、キリシタン信者であったので自害はできないも、家臣に命じて命を絶つという悲劇です。
忠興はこの知らせを受けて後顧の憂いなく関が原で戦ったことで、東西の情勢が変わり、徳川の世の幕開けに大きく貢献します。
これはキリシタン宣教師(おそらくルイス・フロイス)によってヨーロッパにも伝えられ、一般に日本という国が認識されていない時代でしたが、この美談はオペラに仕立てられて上演されるほどでした。
私は絶対自殺しないと思っている人間の一人です。
私は自分を強いと思っているので、どんなときにも自殺を考えたことなど微塵もあり得ません。
・・・そう思っていますが、自殺の原理を考えれば、自殺は誰にでも及び得る可能性のある行為なんです。
人が自殺するときは、精神状態により脳内分泌物のバランスが著しく崩れることで引き起こすのですから、誰にでも可能性はあります。
今日はNHKの20:45~21:00の15分のニュース番組の中で、3つの自殺報道がありました。
現在日本人の死亡要因の第5位が<自殺>であることをご存知ですか?
自分が前に向かって進んでいるときにはとかく人のことが見えなくなりがちですが、自殺は弱さが原因と決め付けず、この社会現象を解決できるようにもっとみんなが意識を持てないものでしょうか。