ハロウィンのカボチャ



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ハロウィンと密接なキリスト教の「万聖節」は、死者の為の祝祭なので、日本のお盆のように先祖のお墓参りをし、そこで蝋燭を灯す習慣もあり、墓地全体が大きな光に明るく照らされます。

日本でいうお盆の送り火をイメージして頂けるといいかと思います。

しかしこの習慣は火災の原因になるので、カボチャの中をくりぬいて蝋燭を立てるようになり、やがてそれは「ジャック・オー・ランタン」(お化けカボチャ)と呼ばれるようになりました。





「ジャック・オー・ランタン」にはエピソードが残されています。



昔、ウィルという口は上手いが汚く、素行も悪い鍛冶屋の男がいましたが、死んで「死者の門」の前に立ち、天国に行くか、地獄に行くかの裁きのとき、聖ペテロを騙して生き返りました。

しかしウィルは反省の色もなく、その前と変わらず悪行を行ったので、再び死んで「死者の門」に立ったとき、聖ペテロから天国へ行くことも、地獄へ行くことも許されず、暗闇の中を漂うこととなります。それを哀れんだ悪魔が、地獄の劫火(ごうか=この世を焼き尽くす火)から、轟々と燃える石炭を一つ取り、ウィルに明かりとして渡します。

その明かりは時々現世にも届き、以来夜中に不思議な光が見えると、哀れなウィルの話になぞらえて、「種火のウィル」、「ウィル・オー・ザ・ウィスプ」と呼ぶようになりました。

「ウィル・オー・ザ・ウィスプ」は、「一掴みの藁のウィル」の意で、墓場などに出没し、旅人などを危険な道に誘うとされている光です。


この逸話に基づいて、「ジャック・オー・ランタン」(ちょうちんのジャック)という言葉が生まれ、呪われさ迷う霊魂の代名詞とされています。日本語で「狐火」とか「鬼火」と英訳するときも、この「Jack-o'-lantern」を用います。



アイルランドではカブやじゃがいも、ピートなどでしたが、この習慣がアメリカに渡って、カブより大きく装飾し易いカボチャが使われるようになります。

今年はお花屋さんなどの店頭に「ジャック・オー・ランタン」用のカボチャを多く見かけます。くりぬかなくてもいいようにシールつきで販売されているのは、便利ですね。