高校時代、『書籍』というタイトルで小論文を書いたことがあります。慶應義塾大学のコンクールで賞を頂いて、「三田評論」という慶應義塾が出版する月刊誌に掲載されました。
その中で私は文をこう結んでいます...
今、神から、所持するものより一つを選べよ、と言われたら、私は迷わない。ただ本のみを選ぶことであろう。
それは夢と希望を与えてくれるから
またこうも書きました。
もしまだ書籍の喜びを知らない人には、是非その喜びを知ってほしい。
私も初めから読書好きではなく、いい本との出会いが私の読書遍歴の始まりでした。成長の段階と興味の推移に応じて適切な書籍を与えてくれた伯父に本当に感謝します。伯父は私の本を必ず目を通してくれていたので、その書籍について語り合うことができ、読書の楽しみを倍増させてもくれました。
ちなみに伯父が私に最初に贈ってくれた本は、ディズニーの「シンデレラ」でした。後にシンデレラが大好きになるのも、ここに端を発していると思います。
成人するまで、お誕生日やクリスマスのプレゼントは全部本でした。5歳くらいの頃、同居の伯母が、白い、後ろに可愛いお花のコサージュとチュールがついた可愛いお帽子をプレゼントしてくれたのですが、箱を開いた途端私の目は落胆と微かな怒りの色となり、「ご本じゃない いけないんだから!」と言い、母が慌てたことがありました。プレゼントは本でなければいけないと思っていたんですね(笑) なので、未だに私がお友達のお子さんに贈るのも、本です。
曽祖父は書物について、「本は膝の上で世界のことを教えてくれる」といつも言っていたそうです。書籍はあらゆる情報、知識、考えを知ることのできるツールです。同じ書籍であっても、そのときによって興味を持つ箇所、感想が異なることがあり、自分の変化を感じ入ることもできます。
やはり書籍は面白いですね。暫く本を読んでいなかった自分が嘘みたいに感じます。読もうと思って購入したままになっている本を、一つ一つ読んでいきましょう。
私もまた精神が充実するときを、喜びを、取り戻しましょう。