自由民主党の新総裁に、安倍晋三さんが就任しました。
父君安倍晋太郎が総理を目前に病に倒れたときは、多くの人がその無念に涙したことを、今も忘れません。その思いが子息晋三氏に向いたことは否めず、自民党の総意でいずれは総裁になれた人ではありますが、それが現実となったことには感慨を覚えます。
私も安倍晋太郎さんのご逝去には愕然とした一人だったので・・・。
安倍新総裁誕生の瞬間、安倍晋太郎への約束を果たした感慨を感じた人は、実に多かったでしょう。遠い世界では、誰よりも先に竹下さんが「安倍ちゃん♪」と杯を傾けていることでしょう。
今日の総裁選で新総裁が誕生したことよりも、5年という長きに渡る小泉政権が終幕したことに、静かな思いがあります。この5年の間には、心が苦しくなるときが何度もありました。改革は必要なこともあり、ときには思い切った行動も必要な場合がありますが、非情さを伴うものであったことには憤慨しました。
後世は、小泉さんをどのように記憶し、どのように評することでしょうか。
「政治は弱者のためのものである」と・・・ ある議員の方よりお聞きしたときには、ある種の不思議さを感じたのが正直な感想でした。しかしその意味がよく飲み込め、政治とは国民が総じて幸福になるためのものでなければならないと理解します。格差や、犠牲者を伴うものであってはならないのです。見捨てられる人があってはならないのです。誰にでも光が当たらなければならないのです。その為には、本当の強さが必要です。
安倍さんは、国民の為には楯となることも厭わない総理になるでしょう。その心構え、気構えには大変強いものを感じ、頼もしくはありますが、どのような心情で自分が総裁に推されたのかを決して忘れないで、誠心を尽くして任期を全うして頂きたいと願います。