前回より続き
8.Summertime
ガーシュイン作のスタンダード
ロックではジャニス・ジョプリンのバージョンが有名だ
ギターはエイイチロウが弾語りしているときの弾き方を真似て、私が入れてみた
ベースも私が弾いた
カホンは細野圭一
彼はカホンという楽器が今のようにメジャーになる前から演奏していて、且つベースが本業ということもあり、ユニークなプレイをする
もちろんキャッツウォークでもリズムの要なのだ
全編でソロギターを弾いているのは植村智志
一聴するとよくあるエレアコのように聴こえるが、これはオベーションギターのマイク録りにラインの音を僅かにミックスしたものだ
曲の雰囲気にも合った音になったと思う
全体に淡々とした演奏に少々暑苦しいエイイチロウのボーカルがのっていて、風変わりな仕上がりになっている
9.彷徨ホテル
青木宣人、新井英一の共作
この青木宣人という人物、実はエイイチロウの父上とのこと
音楽家ではないらしいのだが、様々なことをされてきた方のようで、聞けば聞くほど謎の人物という印象だ
エイイチロウにとっても特に思い入れのある曲とのこと
前曲に続いて細野圭一がカホンを叩く
彼はジャンベもプレイして、曲にアクセントを加えている
ギターは全て小野昭仁
彼が製作したフルアコースティックギターで印象的なリードプレイを聴かせる
この曲では生音をマイク録りした
おデブちゃんとかそんな呼び方をされていたギターなので、私が勝手にFA-T1とモデル名をつけた
フルアコースティックタイプ1とFat(デブ)1のダブルミーニングのつもり(笑
ハーモニカは水野克彦
普段はブルースハーププレイヤーとして暑苦しく豪快なプレイをされているのだが、この曲ではとても繊細な音色を聴かせてくれている
もし機会があれば「どブルース」な演奏も録ってみたい
ベースは篠原昌幸
ヘフナーベースで私の音とは違うサウンドを加えてくれた
歌詞の通りどこか異国情緒なバッキングでエイイチロウの歌を支えているような仕上がりになった
10.少年の頃へ
アルバム唯一のオリジナルで、エイイチロウと篠原昌幸の共作
レコーディングで一番時間がかかった曲で、元々のバッキングを篠原昌幸がほとんど作ったのだが、キーや曲の進行を変更したり試行錯誤の末全て破棄、原曲と全く違うジャズ風味のアレンジを施してみた
とは言っても私はジャズに明るいわけではないので、聴いた人がそうとってくれるかはわからないが
ギターは全て私のプレイ
リズムギターにギブソンJ-160Eを使い、安っぽい音で録ってみた
リードは全曲で小野昭仁が弾いたFA-T1をアンプに通して弾いた
ベースも私が弾いた
ウクレレは小野正昭
リズムギターとうまく噛み合って楽しいリズムを作ってくれている
とても正確なプレイで曲を引き締めているのだ
ピアノは篠原昌幸
イントロ、間奏、アウトロでそれぞれ全く違うプレイを聴かせる
当初のアレンジと全く違うので面食らったかもしれないが(もしかしたら恨まれているかもしれない笑)、遊び心満載のピアノを入れてくれた
間奏についてはしばらくの間スペースを空けてあったのだが(要は迷っていたのだ)、「少年の頃へ」というタイトルからイメージして最終的にのりのり(ブックレットにそう載っているのでそう呼ぶ)にリコーダーを入れてもらった
余談だが、イントロにピチャッと水が滴るような音が入っている
これは全く偶然の音で、聴き直すとウクレレのトラックに入っていた音だった
多分ウクレレの弦に触れた音だろう
本来ならノイズとして取り除く処理をするのだが、「最後の一滴」という歌詞と合っているのでそのまま残した
こんな偶然の音も楽しんで仕上げた曲となった
11.夢を聞かせて
小坂忠、佐橋佳幸の曲
エイイチロウの弾語りだ
曲と歌詞のイメージからアルバムラストにしようと決めていた曲
実際曲を並べてみるとラストにふさわしいと思う
ギターはサトウ氏製作のコア材を使ったJ-45タイプ
どの曲のギターとも違った音で、結果このアルバムを締めくくる音になった
歌と曲にもよく合っている
これでアルバムは終わる
私の視点での解説なのでどうしてもサウンドに偏りがちになってしまったが、全ての音はエイイチロウの歌を聴かせるためのものだ
まずは彼の気持ちのこもった歌を楽しんでほしい
そしてもちろん、参加してくれたプレイヤーそれぞれの音も楽しんでもらえると思う
いいアルバムかどうかは聴いてくれた方の判断になるのだが、エイイチロウも私もとても楽しんで制作したアルバムだ
そんな雰囲気が少しでも伝わったら嬉しいのだ