先日、例によってまたライブに出かけてきた。

今日はその時の予想外のできごとを書こうと思いますよ。


モールの最上階のホール開催だった下差し


バンコクでは行こうと思えば、誰かしらの音楽が毎日でも楽しめる。日本と違って開催がむちゃくちゃカジュアルだからだ。



バーやショッピングセンターなどに楽器を持ち込み(驚くべきことにフルバンド)演奏が始まる。屋外や学校ツアーなんかもある(大学に限らない。中高もある)



だからアーティストとお客さんの距離感も近くて、直接話ができる機会がけっこうある。



先日もこのフェスでお目当てのアーティストを見かけた。



下差し去年ライブを見に行ってファンになったElevenさんだ。たぶん20代半ばくらいだろう。澄んだ声、キャッチーなメロディ、長い手足を活かしたステージがすごくよかった。



アーティストの古着が買えたりライブが聞けるイベントに彼が来てたよ。


3周ほどグルグルと彼のブースを含むゾーンをまわった末にやっと声をかけた。これ以上悩むとタイミングを逃して音楽に声がかき消されてしまう。



彼は身長が180cmをゆうに越えるオシャレなモデルさんでもある。きらめいてる若手アーティストに声をかけるハードルの高さときたらびっくりマーク



スラッとした背中を見上げて「あの!」と何度か声をかけて、やっと小さいおばさんに気づいてもらった。彼の友人らしき人が気づいてくれたせいもある。



もう後に引けぬ。

勇気をしぼりだし、以前買ったCDにサインをお願いしたよ(ペン持参)。私の名前もお願いして書いてもらう。



彼は若干背中を反らせて驚きながら(そりゃそうだ。若者ばかりのフェスに中年外人)しかもひらがなで快く書いてくれ、最後セルフィーも撮ってくれた。



彼はすごくナチュラルな好青年で、私は舞い上がるほど嬉しかった。



だがジワジワと「実はイヤじゃなかったか?」「私はアレで振る舞いに問題なかったかな?」と、ものすごく心配になった。



タイの若者の清潔感はすばらしい。シャツはきちんとアイロンがかかっているし、汗ひとつかいていない。特に彼は輝くアーティストだ。肌も歯も髪も全身ピカピカで身なりにとても気をつけている。マナーもキチンとしている。



自分、馴れ馴れしくなかった?くさくなかった?頭頂の白髪は大丈夫だったかな…と舞い上がっては深く沈み、まぁいいや、もう素直に嬉しがろう…と思ってCDを飾った翌日の夜。



わたしはあまりインスタは見ないんだけど、たまたま彼のストーリーを見た。



するとなんと!そこには私へのメッセージが書かれていたのだ。やばい!むしろ私が先に書くべきなのになんだこれ。



優しい誰か事務所か友人か、サインする彼と私の動画を撮っていてくれたらしい。



優しいにもほどがある。

またしても舞い上がり、彼をもっとみんなに知ってほしい‼️と燃え上がり、いまここ指差し



しかも彼は私が深夜慌てて送ったメッセージに返信してくれていた。タイ語と英語と日本語がまじった浮かれポンチな文章に、日本人ファンのあなたに会えてよかったですって書いてあった。次はメインステージで歌うからねって。



去年のパフォーマンスめちゃくちゃよかったよって伝えられてよかった。



でもやっぱりなんかずっと罪悪感がある。

私なんかただのミーハーで、ただあなたの曲が好きなだけなんだよ。誰でもないただのおばさんだ。



好きな気持ちや優しい心が誰かに伝わったりするのがコワイと思うのは昔からだけど、今回ばかりは自分、素直に嬉しがりたいと心から思った。情緒が乱高下して大変だ。でも密かに見てるファンを認識してもらえたのだよ、自分よ。



いつも心の底でわたしは彼らが欲しいターゲットの外にいる気持ちが拭えてない。だから、なんかすごく響いた。



Elevenさん。またステージ見に行くよ!

勇気またなんとか振り絞るよ…


見て〜!きれいにのびる優しい声と底に流れる明るさが好きだ。タイは才能あるアーティストが多すぎるのよ飛び出すハート