(「僕はいつもちゃんと食べることができる日々が続けばいいなと思っています。それが平和」と語るビーグル犬まろさんオス10歳)

 

 パリオリンピックで日本の卓球選手たちが頑張り、特に早田ひな選手は女子シングルスで銅メダル、女子団体で銀メダルを獲得するという快挙を見せました。早田選手はリザーブの木原美悠選手にも4人で記念撮影したいと気遣いをし、人柄の良さも垣間見せました。それ以上に、リポーターの元日本代表石川佳純さんも含め、元・現の日本代表選手たちと中国選手との交流が報じられ、ほのぼのとした思いをした人たちも多かったことと思います。

 実際に、男子シングルス金メダル、団体金メダルの樊振東(ファン・ジェンドン:はん・しんとう)選手からは中国のウェイボー(微博:中国版X)を勧められたり、ピンバッジを交換したりしたそうなのでした。

 

 仲良きことは美しき哉

 

 それが...

 早田選手の帰国後の記者会見でやりたいことを訊かれて答えたのが

1.腕のけがを直す 

2.アンパンマンミュージアムに行ってポーチを作りたい

3.鹿児島の特攻資料館(知覧特攻平和会館)に行って生きていること、卓球をしていることが当たり前でないと感じたい

4.ジュエリーかカバンを買いたい

 

 この「特攻資料館」というワードが中国の人たちに反発を受けたようで、ウェイボーを勧めたはずの樊振東選手と女子シングルス銀メダル、女子団体金メダルの孫穎莎(スン・インシャー:そん・えいさ)選手がサッと早田選手へのフォローを外したのでした。他の中国の方達も、大会期間中は早田選手のファンであったかのような人達まで「早田選手は中国人の越えてはいけないラインに抵触した」と非難しているそうなのです。

 しかし、早田ひなさんが決して特攻隊員を単純に神格化し賛美する軍国主義的発想で特攻資料館に行きたいと言ったわけではないのでしょうに。むしろ、その正反対で、特攻に出撃していった若い人たち、17歳から32歳、平均で21.6歳という人たちが決して狂信的に特攻に参加したわけでもなく、それでも自分の運命を受け入れざるを得ず遺書を遺し特攻に行って亡くなった、自分たちが今、平和に暮らしているにあたって、そういう犠牲のあったことをよく知って、そういう悲しい歴史を学んで、「だから、戦争は絶対にダメだ」「二度と戦争への道を進んではならない」との思いを新たにしたいという真面目な思いからでしょう。それ以外にあり得ません。

 

 それでも樊振東選手と孫穎莎選手は、早田ひな選手へのフォローを外したということはなかなか重いな、と思います。

 おそらく、樊振東選手と孫穎莎選手は早田選手が軍国主義的発想から特攻資料館に行きたいと言ったわけではないことは本当は知っているのではないかと思うのです。それでも、有名選手たちだけに、中国国民からの注目も集め、さらには国からの優遇を受ける立場でしょうし、国家からの干渉だってあるのではないかなと思うのです。直接の干渉がもしなくても、そのままだとスパイを疑われる危険性だってあるからフォローを外すということもあり得ます。もし個人として「生きていること、卓球をしていることが当たり前でないと感じたい」の言葉の意味を、「長く続く平和への願い」を本当に誤解しての行動だったら、少し理解力に問題のある人たちだと思えてしまいます。そもそも鹿児島の知覧から出撃した特攻の人々は中国との戦いには関係ないはずでした。

 

 80年前の「特攻」という言葉だけに反発した人もいるけれども、その方達はそもそも現代中国が何かと自国の国土の膨張を意図して行動しているのは...現在起きつつある日本国土やその周辺、尖閣諸島、沖ノ鳥島、沖縄等での...さらにはもちろん台湾やフィリピンに対しての不穏な動きをどう思ってるんだろうと不思議になります。日本が戦争に巻き込まれませんようにと真剣に思います。