(「ここ、怪しい臭いがするんだよねえ、クンクン。興味あるなあ...」と匂いを嗅ぐのに熱心なビーグル犬まろさんオス10歳)

 

 私の家は父の代から某讀賣新聞をとり続けています。一応、その讀賣新聞っていうのは「一般紙」と言われるもので、なおかつ日本の三大新聞、いや日経含めて四大新聞でしょうか、その中に入るような新聞ではあります。

 だから、その紙面、特に第一面なんかは政治、経済、行政、大事件とかまあそういうものが載るのが当たり前だと思うのだけれど、今日も一面は「体操男子『金』」という見出し。讀賣新聞って、スポーツ新聞ではなかったはずなのだけど、一面以外にもオリンピック関係の記事がいやというほど掲載されています。スポーツ関係、あとはアメリカの大リーグだの日本のプロ野球だの高校野球だの、甲子園での試合が始まればまたそっちも載るでしょう。

 テレビのニュースショー、ニュース番組のカテゴリーの番組でさえ、パリオリンピックでの日本選手の活躍について伝えるのがその日のはじまりだったり、どこを向いてもオリンピックの話題です。NHKなんかはオリンピック番組に占拠されています。そもそも金メダルは今現在は日本が世界一だとか、世の中、そんなにスポーツ流行りだったっけ?って不思議に思うのです。

 

 国威発揚のオリンピックというのは1936年のヒトラーのベルリンオリンピックかららしいのだけど、それって今も続いているんだよなあと思います。「国 vs. 国」の戦いみたいになると、どうしても「他の国の人」が勝つよりは「日本の人」が勝つように応援してしまう。日本の人が勝て、自分にはば全く関係ない人でも、よっぽど世の中をすねた目で見ている人でもない限り、どことなく誇らしく思えてくる。全く興味もない種目の、大会が始まって初めて知った選手でも活躍すれば誇らしくなり、その人若しくはチームの人たちに対しての賞賛が、「日本は素晴らしい。日本に生まれて幸せ」になっていく、まさしく国威発揚です。

 

 ただ、不思議に思うのが「他のニュース、他の事件って普段、もっとなかったっけ?」ということです。平常ならテレビなら時間を埋め尽くす事件。新聞なら紙面を埋め尽くす事件。...で、思ったのが

「そんなにいつもの事件事故政治経済行政等のニュースがこのオリンピック期間に消え去っても問題ないなら、いつもそんなに時間と紙面と割いて報道するんだけど、その必要なくない?」

ってことです。同時に、

「このうんざりするほど大量のスポーツニュースの陰で、本来、重要なニュースが重要度が低い扱いされているようなことが起きていないだろうか?」

とも思えます。よく、「政治でなにかスキャンダルが起きるとかあれば、芸能人が麻薬でつかまったりする」という、「何かを隠すために大衆が興味ある他の報道をする」という心配です。

 昨日今日のニュースだと、たとえば「自民党の広瀬めぐみ参院議員が公設秘書の給与をだまし取った疑いで捜索を受けた。自民党の『政治と金』の問題がますます明らかに顕在化している」とか「防衛省、自衛隊で不正受給等で相次ぐ不祥事発覚。しかも逮捕者が出ても隠蔽、防衛大臣は報告受けず、シビリアンコントロール的に問題」とかあるのですが、なんとなく「オリンピック、日本頑張ってる。メダルたくさんとった」で隠されて、というよりよりそういうニュースがオリンピックより重要度が低いニュースのような扱いをされているわけで、なんなんだろうなと思うのです。スポーツの人が頑張ったところで国民の生活に何の影響もないのだけれど政治経済なら影響大アリでしょうに。

 

 ...と、そうは思います。それは本当です。

 ...なのだけれど、正直言うと今朝も朝4時前に早起きしてサッカー男子日本代表の試合を見てなかなか点が入らない試合、どころかかなり押され気味だった時間もたくさんあったのが潮目が変わって後半の終了間際のアディショナルタイムにようやくきれいに途中出場の細谷選手が1点ゴールしたのを見て、「よぉぉぉーーーし、パン!(思わず手を叩く音)」とか自分でも暗い寝室で隣で眠ってる妻にお構いなしに一人でやっちゃうくらいだから、なんだか矛盾してるのだけれど、本当にナショナリズムとか国威発揚とか思わずのってしまって、だからこそ厄介だなあ...と思うのです。