(「僕のブリーダーさんは、僕を含め『うちの子達は、年をとっても可愛いと言われるんですよ』と言っていました。ご主人様も全く同意だそうです」とビーグル犬まろさんオス10歳)

 

 東京都知事選挙、明日が投開票日で、神奈川県民の私には関係ないけれど...いや、東京都の政策が間接的に神奈川県の政策に影響を及ぼすという意味においては関係あるのだけれど(首都圏の知事たちが高校無償化について「財政潤沢な東京都がそれをすれば財政の面で到底できない他の県と地域格差を生む」と抗議してました)...日本の行く末を占う意味で注目しています。小池知事の学歴詐称疑惑だけでなく、神宮外苑の業者との関係とか、結局は自民党に寄り添うとか、公務の中で選挙運動は公職選挙法違反だとか、実績が大したことないとか、蓮舫さんに関しては共産党が支持とか、二重国籍は問題だったとか、これも事前に選挙運動してたようなものだから公職選挙法違反だとか、石丸氏はここにきて訴訟が敗訴だとかパワハラ体質だとか、まあ「ひょっとして」という可能性がある人たちについては誰がどういう意図で批判しているのか知りませんがなかなかに色々なニュースが飛び交っています。私はやっぱり、大マスコミが小池さんの学歴詐称疑惑を「なかったこと」にし続けるのはなんだかなと思いますが。

 

 そうした報道とは別に、「現在の情勢」というのが各報道機関から発表されて判で押したように「小池氏有利」と言うのですが、とりわけ「女性票が小池氏を支持」というのが、なんだか2000年のイタリアとアメリカの映画「マレーナ(ジュゼッペ・トルナトーレ監督*、モニカ・ベルッチ主演)」を思わず連想してしまいます。以下、簡単に「マレーナ」のあらすじを紹介します。

 <マレーナのあらすじ>

 第二次世界大戦中、若妻マレーナ(モニカ・ベルッチ)は、結婚して直ぐに夫が戦地に行き、戦死してしまう。生活に苦しむマレーナの美貌は周囲の男たちの目を惹きトラブルの種になり町のカミさん連中からその美貌に嫉妬の目を向けられる。マレーナは父親が空襲でなくなりさらに生活に困窮しドイツ兵相手の娼婦になる。ドイツ軍が撤退すると町のカミさんたちはマレーナにリンチをし追放する。

 マレーナの夫の戦死は誤報で町に帰ってくるがマレーナは当然いない。マレーナの密かなストーカーになっていた事情をよく知る少年が、マレーナの夫に「マレーナが愛したのは夫だけ」と報せ、夫は最終的にマレーナをみつけマレーナと共に町に帰ってくる。

 夫と、容色衰えたマレーナを、何もなかったかのように受け入れる町のカミさんたち...

 

*「ニュー・シネマ・パラダイス」や「海の上のピアニスト」の監督

 

 この映画で私に特に印象的だったのは、若くて美人のマレーナに対しての町のカミさん連中の嫉妬と最終的に暴力。それが、最後の場面では容色衰え自分達と同じ「オバサン」になったマレーナを許容し「仲間」と受け入れたのでした。

 結局、「この人は自分達と違ってスタイルの良い美女だ」と思うと、男たちの心がざわつくし自分達には危険人物でしかない、でも自分と同じようになったら「仲間」として受け入れてあげる、という気持ち。

 

 なぜ、今回の選挙でこの映画「マレーナ」を思い出したかと言うと、結局、今回の選挙でも、いや前々回の選挙でも自分たちと同じオバサンなら受け入れるという女性たちが多いのだろうなと思ったからです。だから、小池さんが支持される、女性達の「仲間」だと思われる。学歴詐称も、中身のない派手なパフォーマンスも、公約破りも、思い付きの政策も、全てが「同じオバサンだから」で押し切ろうという人たちがどれほどたくさんいるんだろう、と。

 

 実態では、小池さんの軌跡を追うとそのときどきの権力者に都合よくすり寄って、しかもむしろ女性の敵でしかなかったのにもかかわらず、政治家になった時には大衆に対してその「オバサンという特質」を使って、あたかも「私は女性の味方」みたいに錯覚させてきたと私には思えます。たとえば、築地市場の豊洲移転に際して、築地のおかみさんたちも当初は小池さんを仲間だと勘違いしたけれども最後には「裏切られた」と落胆したそうです。

 

 「女性だから、自分たちと同じ女性だから」

 

 で安易に味方しようとするのはどうなのでしょう。現在は71歳、8年前でも63歳、もはやオバサン、お婆さんで、それなりに体形も崩れ容色も衰え、年配の女性達には蓮舫さん含め他の候補達よりは無条件に自分たちに近い気がして「自分たちの仲間、自分たちの代表者」と思えてしまうのかもしれないけど、本当にそうかというのを、これまでやってきたことをちゃんと評価して投票してほしいものだなと思います。これまでの政策というのが、結局は、自分の子や孫を苦しめているだけなのかもしれないのです。そもそもが、「政策」というけれども、思い付きで言うことを周囲の官吏が実行しているという面もありますし。「体形の崩れたオバサンだから親しみがある」「良さそうな人」で決めて欲しくないなあと切に思います。