(「僕は飼い主様一家専用の『いただきワンコまろさん』です」とビーグル犬まろさんオス9歳)

 

 住居不定、無職の渡辺真衣被告(25)通称「頂き女子りりちゃん」に名古屋地裁で判決が下されました。懲役9年、罰金800万円、求刑は懲役13年、罰金1200万円でした。司法関係者の感覚だと「判決は求刑の7-8割掛け」だそうですから、だいたいその相場程度の判決になりました。

 この「頂き女子りりちゃん」、なんでこんな風に求刑されたかと言うと2021年から昨年までの間にマッチングアプリや勤務していた風俗店で出会った50代の男性3人から1億5000万円以上をだまし取ったり、男性相手の詐欺マニュアルを作成し販売し2000万円弱を売り上げて詐取の方法をひろめるとか、マニュアルを見て実践した女子大生が現金およそ1000万円を詐取するのを幇助したりとかと言った罪が問われたわけですね。

 それでこの被告がそもそもなぜそんなことをしたかというと、ホストに入れあげたから、ナンバーワンにしてあげたかったそれで貢いだ、だから弁護側はある意味被害者だとも主張していたのでした。

 

 騙されて金を失った50代の男性の方々にとっては、老後の大切な資金を一部であっても失ったわけで、個人の人生計画が全く狂ってしまったであろうことは容易に予想がつきます。ご愁傷さまでした。だからこその、懲役9年の判決なのだろうけど。

 

 ただ、私が本当に不思議に思うのは、「なんでこんな少々アタマがおかしそうな知能が足りないような妙に甘えたような話し方の、とことん頭の悪そうなド金髪にばっちりと染め切って変なピンクの服を着ているような変な女に騙されるんだろうか?」ということです。恋愛感情を利用して詐取したということなのでしょうが、それでもしかし...です。50代の男性、そんなに貢ぐだけのお金があったということはそれなりにそんなお金を貯めることができるような仕事についていて、或いはコツコツと無駄遣いもせずに生きてきて、本来は知能の低い人たちでもなかろうに、ことそれが女性に対してだとなんでそんな分別を働かせることが無かったのだろう?そもそもが50代の自分がそんな雰囲気の若い女にことさらにモテると思ったのが不思議でもあります。何が若い女にモテる自分の魅力だと思ったのか。その人たちの今までの人生経験なんだったのか。結局は、この被告も別の若いホストに貢いでいたわけだから、なんでそんな惨めな構造(自分は詐欺女に貢ぎその詐欺女はホストに貢ぐ)が分からなかったのか。

 

 この騙された人たちが独身だったのか妻子持ちだったのかは知りませんが、少なくとも被告にポンと気前よくお金を渡しているわけで、妻子がいればなかなかそういうこともできにくいだろうし、生涯未婚率が男性28%にも達していると、この種の犯罪はおそらく独身の人の方が引っ掛かりやすいだろうから、今後もこの種の詐欺被害はなくならないのではないかなあと思います。

 

 「私はお金が必要なのだけれど、私にはお金がありません。私はかわいそうな人なんです。援助してください、助けてください」という詐欺は、「男性より頭が悪くて、社会的にも弱い女性像、少なくとも社会的には自分より下で、庇護すべき助けるべき存在の方が自分の相手としてふさわしい」という、世の中の多くの男性たちが意識的でも無意識的でも女性の相手選びをする際に用いる基準に合致していたというのも大きいのではないかなと思います。それで「恋愛感情」を持った。しかし妙な思い込みを捨てるのも大事、都合よく、助けて感謝されて自分が相手にとってのオンリーワンになるような若い相手なんてそんなに転がっていませんって冷静な見極めも大事だと思うのです。