(「僕はまだまだ元気です」とビーグル犬まろさんオス9歳)

 

 今日は母の要介護認定更新のために、母を近所の医者に連れて行きました。思えば、昨年の今頃、もう少し前でしたが父と母を介護認定のために近所の医者に連れて行って以来です。

 あれから父は「要介護3」の認定が降りて「小規模多機能型高齢者住宅居宅介護」のお世話になって、ほぼ半年後にはグループホームというのにお世話になって、そのおよそ3ヶ月後の昨年末には亡くなったのでした。

 母の場合は昨年の父よりはましではあるけれども、大分弱ってきたなという感じがします。

 母を近所の医者に連れて行くのはもはや歩いていくのもできないので、まず近所の行政センターから車椅子を借りてきます。車椅子というのは借りてくるときには軽いのですが、押すための持ちて部分が微妙に低いので、空の車椅子を押すだけでも疲れます。

 家について門の車椅子のところまで母を連れて行って座ってもらうのですが、「医者に行きたくない」「今日じゃなくてもいい」と抵抗を示します。今日は天気も良く暖かい気候なので連れていくには絶好なのですが、なにかとどうでもいいことをやってサボタージュして時間稼ぎをしようとするのでその相手だけでも疲れます

 ようやく母に車椅子に乗ってもらって医者に向かうのですが、体重がそれほどあるわけでもないにもかかわらず、結構な重さを感じます。踏切を横断することになるのですが小さな前輪が線路にはまらないように気をつけて前輪を浮かせて突破します。

 医者に着いて受付を済まして母の診察をしてもらいました。健康診断と認知症の診断とを済ませましたが、お医者さんは「なるべく薬は少なく」と言ってくださったので助かりました。

 医者の中で母と待っていたら、平日の午前中だからまあそういうものなのかもしれないけれども、医者に来ていたのは「後期高齢者(75歳以上)」なんだろうなあと思える方達ばかり。ほとんどの方達が足元もおぼつかない歩きをしていました。日本の65歳以上の高齢者の全人口に占める割合は2022年で29.1%、2位のイタリアが24.1%だそうですから世界でも突出して高いのです。(統計局ホームページ/令和4年/統計トピックスNo.132 統計からみた我が国の高齢者-「敬老の日」にちなんで-/1.高齢者の人口 (stat.go.jp)

 いつも思うのですが、この状態で全国規模の大災害とか、或いは戦争とか起きたら、一体どうなってしまうのだろう、と。日本の人口が1億2千万人を超えていると言ってもこんなにヨボヨボとした高齢者割合が高いと、それだけで安全保障上の大きなリスクなんだよなと思ってしまいます。なにかあったときに逃げるに逃げられない、逃がすためにまた人手がかかる。その人達がまた命の危険にさらされる。

 もちろん、通勤時間帯の電車にでも乗れば普通に「動ける人」が大多数いるわけですが、現実にはその後ろで多くの「動けない人」がいるわけで。今は私もまだ少しは動けるのですが、親の介護をしているうちに動けない方の仲間入りをしていくのだろうかなと思います。

 お医者さんは相変わらず血圧を見たり他のデータを見て「高血圧だから薬を飲んで下げましょう」と診断してくれたのですが、確かに言うことの意味はわかるけれども、でも「それが原因で不具合を誘発して亡くなる」というのをなくし過ぎた予防医学の行きついた末が今の異常な高齢化なので、そういうのも国としては諸刃の剣だなと思いました。「高齢者が集団自決」の成田悠輔助教はその発言のせいで非難はされましたが、ある意味正論である部分も結構あるとは思います。

 

 今年も大学入試の季節が終わました

 もう何年も前から言われていることですが「医学部が成績上位者の間で人気」だそうで、本当は医者になる適性のない人まで「成績が上だから、頭いいと思われたいから」「医者はくいっぱぐれないから」「医者は社会的地位が高いから」医学部受験するそうですが、なんだかご苦労だなと思います。

 今日のお医者さんの待合室を見て、本当にそう思ったのです。

 まあ自分の医院で働いている人は高齢者ではないにしても、医者にかかりにやってくる人たちはほぼ全部ヨボヨボした後期高齢者。多かれ少なかれ病人若しくは潜在的病人だもんだから楽しそうでもなくむっつりと待合室でまっているだけ。そういう人たちばかりを毎日診察してこなす、そういう毎日。町医者、特に内科なら「生か死か」みたいな場面に出くわして緊急手術で患者の命を救ったなんて派手なことは全くなくて、半分若しくは全部ボケた老人の相手を毎日するわけですね。ときには吐しゃ物とか汚物とかに触れることだってあるでしょう。収入が高かろうが社会的地位が高かろうが実際にやってることと言ったらつまりそういうことだから、なんだかお医者さんと言うのは偉いなあと思いながら自分にはやはりできないことだったんだろうなあと思いました。医学部に行った人達、何かあれば怪我人大怪我人死人急患だらけになるのだしそういう人たちと向き合わなければならなくなるので頑張ってくださいね。あんたは偉い。