(スキー場)

 

 今年もスキーには行けませんでした。

 子どもの受験は今年はなかったのだけれど、その代わりに昨年末に父が亡くなったので葬式だの相続関係の手続きやらなんやかんやと忙しくてそういう気もなかなか起きませんで。我が家でよく行っていたお茶の水女子大学志賀高原体育運動場、簡単に言うと大学の保有する寮で卒業生とその家族他、気軽に宿泊できるところだったのですが今はそれも取り壊されて存在しません。

 

 ではあるけれども、なんとかまた行けないものかなあとは思うのです。滑り始めの季節、雪の状態の良い季節、段々あたたかくなって雪が溶けかかっている季節、スキーって、それぞれの季節がよくって。

 今頃だと、志賀高原はまだそれほど雪が溶けてジャクジャクになっていないとは思うけれども、新潟方面とかだったら結構、雪が溶けてジャクジャクだった記憶です。それが良くないというのではなく、それもまた良きかなというわけで。

 溶けかかってジャクジャクになった雪は「重い」感じがします。滑るスピードが落ちて抵抗が大きくなるようです。曲がるときも曲がりにくいからだと思いますが、なにやら力のかけ方が粉雪圧雪状態なんてころと比べるとかなり大きくなります。太ももの筋肉が一日の終わる頃にはというか滑ってる途中でも結構、乳酸が溜まって痛いような感じになります。曲がりにくいうえに、スキーがとられる、引っ掛かるような状態がもっと気温の低い粉雪圧雪状態に比べて頻繁になります。

 ただし、こぶ斜面では雪がジャクジャクと柔らかくなっているのでそれを崩しながら滑る感触になって、気温が低くてガチガチに凍ったこぶ斜面に比べて倒れても痛いような感じはしません。その代わりに雪が削れるのが早いせいか、こぶが早い時間から巨大化している場合もあります。

 身体は力がいるし、そのうえ気温も高めだしでスキーウェアの下は結構汗ばんだりします。厳寒期にはマフラーをしっかりつけるのが、この季節だとマフラーを緩め、スキーウェアの襟の部分も少し開く場合があります。

 汗ばんだ身体で休憩。

 水分が恋しくなるので、昼の休憩にはビールとかワインとか飲んでしまいます。そうするとさらに温かくなる。弛緩した軟弱リゾートスキーヤーには、適度な運動とその疲労感と、休憩の食べ物、飲み物が楽しみです。

 「今シーズンはもうこれで滑り納めかな」なんてことを考えながら、スキー場を眺めつつ、他の人の滑りを見つつ、ブーツから足を出して血の巡りを回復させながらの食事と酒類は格別です。スポーツをするときに酒類を飲んだりするなんて、普通は考えられないのですが...たとえば水泳。死にます。たとえばテニスとかジョギングとか。絶対にへばります。気持ち悪くなりそう...どういうわけか、スキー場の食堂・レストランにはビールやワインや日本酒がつきものです。我々のような素人の軟弱リゾートスキーヤーにとっては、スキー場の斜面、中斜面とか急斜面とかを滑り降りるのは結構緊張っぽくなることがあるのですが、少しのアルコール分でなんというのか身体がほぐれるというのか、緊張もほぐれてうまく滑れるような気がします。

 一番最初にスキーを始めたときは緊張で全身、首から下全てガチガチに固まって足の裏まで緊張で固まって、100mもないような斜面を滑り降りるだけでももの凄く筋肉痛がして、足の裏なんてもの凄く痛くなったのを思い出しますが、緊張がほぐれるというのはかなり大切です。

 スキー場まで自分で運転して行った場合は、道も雪解けしていたりして乾いた面が多くなっていたりしますので昼間に移動する限りは楽だったりします。帰り道でのお土産を買うのも楽しみだったりしました。

 

 3月20日頃に志賀高原に行って雪がガンガン降って気温も低く新雪を滑ったなんてこともありますが、シーズン終わりらしく溶けかかったジャクジャクの雪でのスキーもなかなか良かったなと思うとい話でした。 

 スキー人口が知らない間に随分と減ってしまって、その原因は可処分所得が実質上減り続けたからウィンタースポーツどころではない人が増えたというのと、そもそも雪が少なくなってきたこと、という説があるのですが、なんとかウィンタースポーツの人口も盛り返してくれないかなあと思います。