(「僕はまだ元気なんだから、変に不安に思わないで欲しいなあ。それよりオヤツ欲しいなあ」とビーグル犬まろさんオス9歳)

 

 芸人のみやぞんさんの愛犬ラブちゃん(ビーグル犬ミックス)が昨年の12月あたまぐらいに「天国に行った」とみやぞんさんが自身のYoutubeチャンネルで明かしました。

 それから3ヵ月あまり、ようやく一日のうちの明るい時間のそのタイミングでファンにも愛犬の死をファンに打ち明ける気持ちになったということですが、ただまだ「夜になるとしこたま涙が出る」そうなので、まだまだペットロスから立ち直れていないのではないかなと思います。

 ラブちゃんに悪性メラノーマという癌が見つかって、自身が多忙なときは他の方々の手を借りながら愛犬の面倒を見てきて、12月初旬に帰宅したらぱったり倒れ、医者に連れて行ったら「これから闘病生活が」と言われた2時間後に天国に行ったので「苦しむことなく逝った」そうなのでした。

 犬を飼っている人はお互いに他の飼い犬の幸せを望み(ピットブル等の凶暴犬種除く...私とまろさんが襲われたので)、同じ犬種であればなおのことそう思うものなので、私もみやぞんさんの愛犬のことは他人事ではないのです。

 

 私は今一緒にいる我が家の愛犬ビーグル犬まろさんが可愛くて仕方がありません。まろさんがサークルの中にいるときにまろさんと目が合っても、散歩中に少しマッチョな筋肉質の体つきを見下ろして、臭いばかり嗅いで回るまろさんの姿を見ても、家や旅行先の宿の部屋の中を嬉しそうに走り回るまろさんの姿を見ても、散歩中にも右に左に道路を横切り真っすぐ歩かないまろさんの姿を見ても、草に鼻面を突っ込んで何かの臭いを嗅いでいるまろさんの姿を見ても、海辺を歩くまろさんの姿を見ても、ドッグランで他の犬と遊んだり、他の犬のおしっこの臭いを嗅ぎまわるまろさんの姿を見ても、おもちゃで遊ぶまろさんの姿を見ても、もうまろさんが何をしていても、とにかく可愛い。人は二足歩行、犬は四足歩行、体つきだって違う、顔つきも人間と違う、それでもあの大きな目で見つめられると、あの少しマッチョなからだつきで凛と立ち颯爽と歩く姿を見ていると、なんでこんなに人間と違うのにたまらなく可愛いのだろうと不思議に思うくらいに可愛い。変な人だと思われるかもしれないけど、一般的な人間の赤ちゃんや人間の子供よりビーグル犬まろさんの方が可愛い。

 それがいつかは先に死ぬ存在だと分かっているのが、飼い始めたときからずっと心の奥底の恐怖として横たわっているのを感じます。いつかは別れがくる。さらぬ別れ。

 それで「ペットロスからどうやって立ち直ったか」という内容の本を買って読もうとしたのだけれども、その本を読むことすら怖い。まろさんがまだ元気だし縁起でもないというわけでもなく、「それが起きる、いつかは起きる」ということを考えること自体が怖い。自分が毎日死に近づいているのは「ま、そんなもんだ」と思えても、可愛い自分の飼い犬がいつかは天国に行くというのは、それよりずっと怖い。

 

 みやぞんさんが「人には『いつも元気に』って言っているからなかなか話せなかった」みたいなことを言っていましたが、ああ、そうなんだよなあと思ってしまいました。

 

 よくまろさんと一緒に散歩していると、「何歳ですか?」とか訊いてくる人がいて、「〇歳」と答えると「ああ、じゃあまだしばらくは...」なんて言ってくるのだけれど、「だから、『あと数年間は元気だね』、と言われるのは『あと数年で死ぬよ』と宣告されているみたいで、なんとなく嫌な感じです」なんてそんな人に言うこともできなくて、「ああ、はい」くらいでテキトーに答えるのです。そう話しかけてくる人たちに悪気は全くない、まろさんが可愛いからなんとなく話しかけたくなる、それは分かるけどこっちは少し悲しくなるんです。

 

 みやぞんさんのラブちゃんが亡くなったのが12月初頭、浅井企画という所属していた芸能事務所を退所したのがその月末、つまり12月31日。幼なじみのあらぽんさんとのANZEN漫才というコンビが解散するのが今月末。その決定にラブちゃんの死が何らかの影響を及ぼしたたのかなと勘繰ってしまいます。それくらいショックなんだろうと自分に照らし合わせて思ってしまいます。

 

 世の中にさらぬ別れのなくもがな千代もといのるかいぬしのため