(「僕はご主人様からは執念深い犬、記憶力が凄いとよく言われます」と語るビーグル犬まろさんオス9歳)

 

 キリンが経済学者の成田悠輔氏を起用した缶チューハイ「氷結無糖」の屋外広告、WEB広告、Xへの広告投稿、ブランドサイトにおいて成田悠輔氏の出演部分を順次取り下げていくそうです。

 つまり、当該製品の成田悠輔氏のCMに対して、SNSで不買運動があったことさらには公式Xへの投稿に批判的な意見が多く寄せられたので、キリンは

「3月より発信した氷結®無糖についての一部投稿を取り下げました。頂戴した様々なご意見を真摯に受け止め、総合的に判断しました。この度いただいたご意見を今後の活動にいかしてまいります。」

 として、3月12日時点でCMから成田氏の部分を消していくことになったそうです。

 

 成田悠輔氏は、2021年に少子高齢化の問題に対して「唯一の解決策ははっきりしていると思っていて、結局、高齢者の集団自決、集団切腹みたいなことしかない」と発言し、「別に物理的な切腹だけでなくてもよくて、社会的な切腹でもよくて、過去の功績を使って居座り続ける人がいろいろなレイヤー(階層)で多すぎるのがこの国の明らかな問題で、まったくろれつが回っていなかったり、まったく会話にならなかったりするような人たちが社会の重要なポジションをごくごく自然に占めていて...(以下略)」と言っていたのですが、イェール大学まで巻き込んで大学が「成田氏の意見はイェール大学の見解ではない」と公式見解を出すような騒動になったことは、多くの人の記憶に残っていることでしょう。アメリカの大統領選もある意味、バイデンもトランプもボケ老人ぽくてこの発言が当たってる気もしますが...

 

 ところで、よく分からないのが、成田氏を起用すればSNS等でこういう反応が十分予想されると思われるのに、成田氏を使ったCMに異を唱えず、GOサインを出した人がキリンの中ので責任者としているのではないだろうか、また広告会社側でも企画の段階で「この人はまだSNSで反発されるだろうから」と企画に反対する人がいなかったのだろうか、広告会社の責任者もそんな具合にGOサインを出した、そもそもがなんで止めなかったの?って疑問に思ってしまうのです。SNSなんかでの評判をそんなに気にするのなら、ね。

 これ、双方とも「過去の功績を使って居座り続ける人達」なんじゃないかと思ってしまいます。つまり、両方とも成田氏の言う通りの人々。

 

 認知症?健忘症?

 

 少し前に、相当話題になっていた、炎上していたのを忘れてしまったのでしょうか、この責任者たちは。

 それで不買運動だの反発だの起きれば、あわてて取り下げるってなんという醜態なんだろうと思います。

 

 私は、正直言って成田氏の発言の「真意」が的外れだとは思いません。思い切った言い方についてはどうであれ、過去の栄光で居座り続ける人の存在がいけない、というのは大いに肯首(こうしゅ)できるのです。ではあるけれども、過去にその発言がもとで大騒動にもなった。さらに、とはいえ、成田氏はいまだにテレビには時々出演しているようなので、かならずしも「茶の間に受け入れがたい人」とまで思われているようでもない。そうはいうけれども、たとえば企業CMに使うなどしてしかもSNSなんかでも使ったとしたら、そういう否定的な反応がたくさん出てくることは、過去の発言を掘り返して問題視する人たちが大勢ウジャウジャ出てくるのがSNS時代では当たり前のようになっていますから、今回の批判の嵐だって十分に予想されたことであったのです。

 その批判に対して、「そんな評判があったなんて今知った。よく考えてみたから、この人をCMから降ろします」なんてのは、考えが浅はか過ぎないだろうか。CMに起用したのだったら、「そういう否定的な反応も十分、予想はつきましたが」として「想定内のこととして」取り下げないのもアリだと思うのだけれども、腰砕けに「じゃとりやめます、取り下げます」って。そもそもがSNSの意見って、本当に国民の意見を正しく反映しているのか、かなり私には疑わしいもののように映っています。いわゆる「ノイジーマイノリティ」とでもいうようなものと思えるのです。「こんな意見の人が大勢いてさ...」って「話題作り」としてはいいけども、大方針を決めるための意見たりうるのか疑問。

 

 現実のこうした責任者の方達については私は存じあげませんので年齢なども存じ上げないんですが、もしかしたら「若い」方達かもしれないのだけれど、そういう感性でそんな程度の雑な仕事をしているのだったら、他のもう少し根性の据わったスマートな方々にポジションを譲った方が良いのではないかなと思うのです。あわててCMを取り下げたなんて中途半端なことをしたので企業イメージが下がったんではないでしょうかね。

 それとも、これが「実は話題作りのための炎上商法でした!」なんてのだったら個人的には少しは天晴れ(あっぱれ)と思うのだけど、企業イメージも悪化したしさすがにそうでもないでしょうしね。