(「犬も人間も上を向いて歩くことが大切です」と、いつもクンクンと地面の臭いを嗅ぎながら歩くことが多いビーグル犬まろさんオス9歳)

 

 昨日2月17日の、日本の次世代主力ロケット「H3」の打ち上げ成功、良かったです。開発責任者であるJAXAの岡田匡史プロジェクトマネジャーは「本当にお待たせしました。ようやくH3がおぎゃーと産声をあげることができました」と語られたように、これからがH3ロケットが活躍を期待されていくことになるのです。

 H3ロケットは打ち上げコストをH2ロケットの100億円から50億円に下げて価格競争力を持たせて民間需要にこたえ、さらには関連産業を維持発展させるという牽引役も担うそうなのです。今の打ち上げ回数は、スペースXが突出して需要を担っていて中国もスペースXほどではなくても次に多くロケットを打ち上げていて、大昔のアメリカとソ連の国の威信をかけた意地の張り合いみたいなものからはかなり違っています。

 岡田匡史プロジェクトマネジャーのインタビュー記事を読むと、ロケットにまだまだ改良の余地がありそうですが、とりあえずは本当に「生まれた」状態から大きく育てるようになってほしいものです。

 

 今回、打ち上げは二度目で一度目の失敗を取り返した格好になっていますが、ほぼ1年前の2月には、「ロケット打ち上げの前に不具合を発見したので打ち上げ延期」というのを、どうしても「打ち上げ失敗でした」と言わせたくてマスコミが騒いでいた記憶があります。失敗ではないのに。

「批判的な目」をはき違えたマスコミもどき JAXAにどうしても「失敗」と言わせたい精神の病 | marosanloverのブログ (ameblo.jp)

 結局、今回の成功については「昨年3月は失敗したけれども、今回は成功」みたいな言い方をマスコミはシレッとしていますが、昨年2月の打ち上げ延期を「失敗」と言ってた、言いたがっていたマスコミにとっては「3度目の正直」だろうに、と思うのです。いや、私としては「2度目の挑戦での成功」で本当に良いと思うのですがね。

 

 技術は失敗があるから成功するための糧になるくらいに思っていれば良いのを、「文系」の人たちはその「成功のための糧」も「批判すべき、突っ込むべき」と非難したがるようだし、チェックしてやめとくと言うのも「失敗」と区別がつかない。でも、技術でも人一人の人生でも色々な紆余曲折があって進んでいくものですから。

 

 岡田匡史プロジェクトマネジャーも、学生の頃は東大に入って、例の進学振り分け制度で希望の学科に進めず、留年してようやく希望の学科に進んだそうですから、若い人たちも、色々な挫折とか今後もあるとは思いますが、それにめげずに己の道を進むのが良いかなと思うのです。「人にどう思われるか」ではなく「自分がこうしたい」と思うことをやっていけば、道は開ける...かもしれないし、開けないかもしれない、一生懸命やった後は運命と思うしかありません。

 まだまだ大学受験シーズンは続きますが、受験生の方々は自分を信じて、もしも失敗したとしてもその後に幾らだって挽回できますから、頑張ってください。

 

 「失敗」といえば1月にミス日本グランプリに選ばれた椎野カロリーナさんが、不倫が発覚してミス日本グランプリを辞退した、という話題が今週でもまだまだ話題になっていて、少し前には堀江貴文さんが擁護したり、今日は今田耕司さんも「可哀想すぎる」と発言したりしています。椎野カロリーナさんがミス日本グランプリを辞退されたのは、「ミスコンテスト」としては当然すぎるほどに当然だと思いますし、不倫された奥様や子供の気持ちを思えば、カロリーナさんが慰謝料を請求されてもおかしくない立場だから、まあ仕方ないと思います。そもそもが、「ミスコンテスト」というのが始まった頃は、「ミスなのだから、未婚なのだから、男性経験がない」という暗黙の了解があったものと思われますから。今の社会規範は変わっているかもしれませんが、少なくともこのミスコンの選抜の規範が作られた頃はそうだったはずです。

 それにしても椎野さんには「気の毒、かわいそう」と表明する人もいるのですが、こういうのってまさに「ルッキズム」の最たるものだと思うのです。「美人が不幸な目にあうから可哀想」、っていうことでしょう。浮気された妻子のことを気の毒だということもなく、「可哀想です、文春はカロリーナさんのその後の人生にも責任を持たないと」。これが美人でなかったらなんて言われているか想像できます、というか美人でなければわざわざ「可哀想」なんていう人はいないと思うのです。結局、世の中はそういうものなんだなと思います。カッコつけて「ルッキズム反対」なんて言わなきゃいいのに。

 私は、カロリーナさん、不倫した自覚があったはずなのに、なんでミス日本に応募したのかというのが大変疑問です。バレれば当然、非難されるしバレないわけがなかった。

 でも、これだって、椎野さんもかなりの軌道修正を余儀なくされたかもしれませんが、その後がお先真っ暗になるわけでもなく、なにかと助けてくれる人もでるでしょうから、上を向いて歩いて行って欲しいなと思います。

 

 ただ、芸人の松本人志さんの「失敗」は、なかなか取り戻せないのかなと思います。そもそも妻子がいるのに、不倫かどうかしらんけど妙な『遊び』の騒ぎで妻子にかけた迷惑には一言の反省も報じられていない。「強要された」かどうかが本来の問題ではなくて、「そういうカッコ悪い『遊び』をしてたのか」なんてことがバレたということが、どうしようもなくイメージダウンなのですから。これ、「芸人」だからって目で見がちですけど、たとえば会社の役員がその下の部門長たち部長たちを使って若い女性を集めさせる、その中で自分で気に入った人を選ぶなんてことしたら、「カッコ悪い。役員としてあり得ない愚行」でしょう。女性を漁るのが「芸のため」なんてわけでもさらになし。

 「事実無根」と言って「初動の段階でウソをついた」みたいな印象になってしまったのも大きいです。3月から裁判が始まると言っても、取り戻せないのではないですかね。

 「行動で失敗した」なら再挑戦するのは意味があるけれど、「そういう人なんだ、そういうダサいひとなんだ」って印象を持たれたのは再挑戦なんてできません。これはもはや取り返すことができないのではないかな、と思います。

 

 ということで、「失敗」ということは次のチャレンジのもとになるから良いのだから、「頑張ってね」、そうでないものは、なかなか難しいなと思うのです。

 失敗を許さない社会は窮屈だと思いますから、挽回できるように頑張ればよい、でも「その人の本性」と思われることはもはや挽回できないな、と。