(「僕が脱走しても、ニュースにはならないと思います。そもそも家は快適だし」とビーグル犬まろさんオス9歳)

 

 2月7日水曜日に群馬県の伊勢崎市の2ヵ所の公園で、家から脱走した四国犬が、子ども達を次々に咬み、結局12人に怪我をさせ、さらには近所の17歳のトイプードルを咬み絶命させてしまった、というニュースが8日木曜日に流れました。

 さらには神奈川県の南足柄市でも散歩中の四国犬が2月8日木曜日に首輪から首がすっぽ抜けて「脱走」、警察が捜索していたのですが2月10日土曜日の午後に南足柄市内で無事に保護された、というニュースが流れました。

 

 伊勢崎市の子供達は、悪くすると一生、というかかなり長い期間にわたって犬に対しての恐怖の感情を持ち続けるのだろうかなと心配になります。私は今の相棒であるビーグル犬まろさんや、私が大人になってからの迷い犬ビーグル犬イヴ公という相棒の前に、子どもの頃にスピッツ犬のピス(名前です。おそらく私が「スピッツ」と言おうとしてなまって「ピス」と言ったのが名前になったのだと思います)、というのを飼っていました。小学校にあがる前から低学年くらいの記憶なのですが、そのピス君に子供の頃の私は結構、咬まれた記憶があって、子どもの頃から、結構大人になるまで、「犬=咬む=怖い」という気持ちが心の中で固定化されていました。私の義弟も子供の頃に近所の犬に追いかけられて脚を咬まれたそうなのですが、やはりそれで犬嫌い、らしいです。ではあるけれども、咬まれた子供たちも、トラウマになるなんてことを思わないで、人間にも乱暴な人とそうでないのとがいるように、ワンコにも色々といるんだと理解して、「犬=咬む=怖い」の呪縛から早く抜け出せることをお祈りします。

 今にして思えばピスが元気で跳びあがっているところに、子供の私が窓から手を出したりしていて、たまたまそのタイミングで軽く咬んだくらいのものも咬まれた記憶に含まれるのかな、とは思うのですが、子どもにすれば犬の牙の一々が恐怖でした。私が幼少時によく西部劇で馬に乗るヒーローみたいなのをテレビで見ていたので、そんな小さなスピッツのピスという犬に「乗ろう」とまたがろうとしたので、ピスの方でも私のことを小さい子どもながらも「こいつは危ない奴」と思っていたこともあるでしょう。

 

 今回はそんなスピッツよりも「中型犬」とはいえ子供からすれば大きく見えたでしょうから、今後の人生の犬との付き合いを考えるうえでもちょっと心配になります。

 四国犬に咬み殺されたトイプードルとその飼い主の方にとっては、本当にお気の毒です。犬嫌いな人から見ると「犬は家族」というのはアタマおかしいと思えるかもしれないけれど、本当に心を通わせていろいろとコミュニケーションをとってきた犬と言うのは、単なる動物でも獣でもましてや法律上の「物」でもなく、相棒であり、家族ですから。

 四国犬の飼い主は過失傷害などの罪に問われるでしょうし、民事裁判でも賠償請求されるのではないかと思います。

 しかし、飼い主の方も「まさか逃げ出すとは思っていなかった。敷地の中で自由にさせていた」みたいな発言をしていたようなのですが、逃げ出すのですよ。

 私とまろさんがピットブル2頭に襲われたときも、飼い主からしてみれば「まさか逃げ出すとは」でしたから。まろさんは中型のビーグル犬なので一発二発咬まれて絶命ということはなかったものの、痛々しい状態になりました。

 伊勢崎市の四国犬の方は、狂犬病注射をしていなかったことも明かされていました。危ないです。狂犬病は死に至る病ですから。ニュースでは狂犬病のことばかりが取り上げられていましたが、咬まれた人間の方は、私もそうだったのですが、「破傷風」の注射を1年だったか1年半だったか、いずれにしろかなり長期にわたって3回うたないといけなくなるのです。あれも注射をうたないといけないことを覚えていないといけなくて、実に面倒くさいのです。

狂犬ピットブルの襲撃事件被害の顛末(1) | marosanloverのブログ (ameblo.jp)(2)、(3)もあります

 

 神奈川県の四国犬の方は、既につかまってしかも脱走したという事実だけで特に人に咬みついたとかいう事件が起きたようでもないので、とりあえずはみつかって良かったです。

 

 こういう事件が起きたときに時々思うのが、「どんな種類の犬が逃げ出したら、ニュースになるのだろう」ということです。

 

 おそらく、神奈川県の四国犬脱走のニュースは伊勢崎市の大量咬傷事件の「四国犬が脱走して咬んだ」という事実に引っ張られたことが多いのではないかと思うのです。発見当時は飼い主の家の近くのみかん畑の中で寝ていたとか平和そうではあっても同じ犬種ということで、上空からも大捜索でとりあえずニュースに。

 四国犬は体重15-23㎏だそうですから、中型犬で柴犬よりは大型、ではあります。犬の登録件数の推移をみると柴犬が年に2~3万頭、四国犬が2~300頭でほぼ100分の一くらいですから、かなり珍しいですし、言われなければ日本犬の雑種くらいに思われそうです。

 犬によって体重15㎏と23㎏では結構大きさに差があるようなので、今回みたいな先例のある場合は別にして、あまり見た目が小さい犬だと脱走しただけではニュースにならないのではないかと思います。

 比較的大きくても、昔行った長野県の宿泊施設で飼われていた2頭の犬が逃げ出したと言っても別にニュースにならなかったようではあります。

 ピットブル、これは体重的には四国犬と大した差がなくても精神異常の個体の割合が多いそうで人間にも犬にも咬みつき本当に危ないので、脱走したとたんにニュースになるのではないかと思います。

 大抵の大型犬は、たとえばゴールデンレトリーバーやラブラドールレトリーバーみたいなのでも、やはり「大型犬」というだけで警戒されて警察が捜査、というニュースになりそうです。大きな猟犬系統のものはやはり警戒されるのかなと思います。秋田犬とか土佐闘犬とかも警戒されるでしょう。

 しかし同じ猟犬系統でも柴犬とかくらいだと、警察が大捜索みたいにはならないのではないかと思います。うちのビーグル犬まろさんも。まろさんの場合は、攻撃性もないので見つけた人がそのまままろさんを拉致して飼われてしまうのではないかといつも思っています。

 同じようにトイプードルとかチワワとかの小型犬は、たとえ攻撃性があるような個体であっても危険性は低いかと見做されて警察が大捜索にも、ニュースにもならなそうではあります。

 

 大雑把には「犬種」と「事件/事故の有無」がカギで警察による大捜索からのニュース、になると思うのですが、今回みたいに「神奈川でも四国犬が脱走、警察大捜索」というのもなんだか、本当はニュースになっちゃったのも貰い事故臭いなあと思いました。脱走した犬ってまろさんと同じ9歳、人間だと私と同じような60代のジジイくらいでしょうし、脱走して外を歩いているときの車載カメラ映像みるとなんかちょこちょこよちよちとした足運びが力強くもなく、個性は「こわがり」だそうでしたから。

 同じ犬種であっても各々に個性があるのに、同じ犬種だってだけで大騒ぎになるのも、犬からすると「犬って言う商売、個性があるのにやってられないよ」って思ってるかもしれないな、と思うのでした。いや、ピットブルは一律に飼育禁止にして欲しいですけどね。