(「ここ何か臭うぞ」と常に散歩の途中で色々なところの臭いを念入りに嗅ぐビーグル犬まろさんオス9歳)

 

 台所にいるときに家の電話にどこかから電話がかかっていました。

 妙な電話も多いので、とりあえず

「はい」

 とだけ答えたら、

「住宅センター*の山田です。○○さんのお宅でしょうか」

 と訊いてきます。「○○さん」の名前は正しいです。

 こりゃ、詐欺かもしれないな、と思って名乗らずに

「どういうことですか?」

 と訊いたところ、いきなり相手からガチャ切りされました。

 本当は、「どこから名前を手に入れたのでしょうか?」というのを電話をかけてきた相手に訊いて見たかったのですが、そこまでいけず残念でした。

*ちなみに、「住宅センター」自体、「○○住宅センター」みたいな名称のまともな会社/財団法人等は沢山あります。

 

 ガチャ切りするくらいだから、詐欺決定、ということでネットで調べてみました。

 そうしたら、どうもその先のやり取りは、次のようなものになる予定だったようです。

 

1.床下に換気扇を入れるように勧める詐欺

 「床下に換気扇があるか」と訊いてきて、「ない」と答えると

 「シロアリ駆除が必要です。換気扇をつける必要があります。」

 と言って、大金をだまし取る

 

2.床下にシロアリ駆除剤・乾燥剤を入れるように勧める詐欺

 「床下にシロアリ駆除剤or乾燥剤を入れたか」と訊いてくる。

 「普通は駆除剤まくでしょ」と言うと引き下がる。

 「まいていない」と答えると「駆除剤or乾燥剤を撒く必要がある」

 と言って、大金をだまし取る

 

3.上の1、2の変形で未払い金の詐欺

 上の1、2のようなことを「した」と答えると、

 「未払いがあります」

 と架空請求してくる

 

 パターンとしては上の三つが見つかりました。

 相手からのガチャ切り、惜しかったです。詐欺電話をかけるのに慣れていない人だったのかもしれません。もっと聞いてみれれば良かった。家の電話番号はどこの名簿業者から出てきたものか知りませんが、そもそも昔の電話帳には名前と電話番号が載っていたのだから、「個人情報の流出」かもしれませんがそうでないかもしれない、グレーです。

 昔は各家庭の電話番号が分厚い電話帳に載っていたものですが、それでも詐欺電話がかかってくることは珍しい...というかほぼなかった記憶です。むしろ、電話帳というものがなくなって以降に詐欺電話が増えた印象があります。結局、「個人情報の保護」とかいうのって、詐欺しようなんて人たちはどこかから勝手に情報を手に入れてるしそもそも情報はどこかから勝手に漏洩してるし、本当に必要があって相手に連絡を取らなければいけない場合には「個人情報の保護」を理由に頑として拒否されるし、なんなんだろうなと思います。不便になっただけ。

 

 それはさておき、こんな風に詐欺の電話がかかってくるということは、本当のところはまだまだ苦しい業界とかあるのだろうな、という風に思えてなりません。まともな商売をしていても苦しいからむりやり詐欺的に「需要」を作り出して工事をして、高く売りつける。もしかして、詐欺に手を染める人々は、はなっからまともな商売をする気がない人たちなのかもしれないけれども、上の「3」以外は一応、工事や作業はするのだから、「何もできない素人が詐欺をしている」わけではないのでしょう。

 こういうことがあると、大学受験時代に勉強した孟子の「無恒産而有恒心者」の一部分を思い出します。

 

 若民則無恒産 因無恒心(一定の職業や収入がないとちゃんと道徳心をもてない)
 苟無恒心 放辟邪侈 無不為已(人は道徳心なくば、勝手気ままにしてしまう)
 及陥於罪 然後従而刑之 是罔民也(その状態で罪を犯させて捕えるなら人々を罠にかけてるみたいなもの)

 

 特に「民を網する」というのは十代の頃からずっと心に残っているフレーズです。

 

 今は「物価高に負けない賃上げを」なんて政治家の人達は言ってはいるのだけれど、そんな賃上げができるのはある程度の大企業に限られていて、中小のところまで波及するかどうかというのは疑問があるそうなのです。

 庶民が物価高で苦しんでいるときに、政治家達は脱税と受け取られかねないお金を懐に入れ放題、使途不明金を使い放題、それでも事実は明かされず。

 「越後屋、お主も悪よのう」

 「お代官様こそ。よしなに...」

 なんて構造は今も受け継がれているようです。なんだかな...詐欺だけは手を染める人がなくなるまでにしないと。