(「僕にもトラウマがあるんですよ。ピットブルは最悪です」とビーグル犬まろさんオス9歳)

 

 今日は「八甲田山の日」だそうです。

 これはどういうものかというと、日露戦争が現実のものとなりそうな1902年の1月23日に、「ロシアとの来る決戦においては、陸軍も寒冷地、雪中の訓練が必要である」との考えのもとに陸軍が青森県で軍事訓練をし、その中の青森歩兵第5連隊210名が猛烈な悪天候の中、しかも装備も十分ではなかったため大雪の八甲田山中にて遭難し、結果として199名が凍死、生還した者も凍傷で足を切断したり、手の指を失ったりしたという大変悲惨な遭難事故が起きたことに基づいて制定されています。

 この「八甲田雪中行軍遭難事件」をもとに、作家の新田次郎さんが「八甲田山死の彷徨」という小説を書き、それを原作として1977年に映画が制作されました。

 監督は森谷司郎さん、出演は高倉健さん、北大路欣也さん他の豪華キャスト、劇中の神田大尉(史実は神成大尉)の「天は我々を見放した」というセリフは当時、流行語になったのを覚えています。何かまずいことが起きたら「天は我を見放した―!」とかって騒ぐとかいう使い方でした。

 

 この映画、名作ではあるけれども私にはこの映画に関連してトラウマになったことがありました。この映画に直接的にそういう描写が出てきたかと言うとそうでもなかったのではないかとは思うのですが、映画に関連してその後も調べたり色々な情報に触れると「凍傷になると指を失ったり、手や足を失ったりする」ということでした。勿論、凍死も怖いのですが、それよりもそんな手足がない状態でその後の人生を生きていくということが起こりうることに、底知れぬ恐怖を感じてしまったのです。凍傷や凍死への恐怖と言うのはこの映画がきっかけで植え付けられたのだと思います。

 

 「怖い映画」というと、実際には気色悪くて見はしなかったのですが1976年封切の「グレートハンティング」という(ドキュメンタリー)映画がまず挙げられます。この映画そのものではなくても、色々な宣伝で「人間がライオンに食い殺されるところ」が映画の「見どころ」として伝わっていたので...テレビとかでもなにやら宣伝されていたと思いますが、あまりにも残酷で見なくて「怖いもの見たさ」にもなりませんでした。ヘタレですが、それで結構。後年、富士サファリパークだったかの「ライオンの檻を裏側から見られますよ」というツアーで、ライオンを檻越しに近距離で対面したときにライオンがこちらを上から下までジロリと眺めてうまそうかそうではないか自分達人間を品定めしているのを見て、「ああこれなら食われるなあ、人間はライオンにとって食べ物なんだなあ」と実感しました。

 

 トビ―・フーパー監督の「悪魔のいけにえ」という映画も心の中でずっとトラウマになり続けていました。あれは映画館の予告編で見たのか、テレビの宣伝で見たのが最初かはっきりしないのですが、不気味なマスクをかぶってチェーンソーを持った大柄な人間がか弱い女性を追い回す場面が、なにやらもの凄く「怖く」感じてしまって、結局、その映画が公開当時は見ませんでした。今でも、チェーンソーというととてつもなく恐ろしい気がしてしまいます。もしも自分で使おうとしたら絶対に落として自分の身体や手足を落としたチェーンソーでズブズブと切ってしまうような気がします。トラウマです。

 記憶というものは曖昧なものなのかその後何十年か、その類似の映画を見て、本家本元の映画を見た気になっていました。ところがつい先日、夜中のCS放送でこの本家の「悪魔のいけにえ」を録画して見て、実は自分はこの映画見たことが無かったということに気が付きました。実際に見てみたら子供の頃のような恐怖は感じませんでしたが、それでもチェーンソーは今でも恐ろしい。

 

 さらに、これは映画の名前もあらすじも忘れてしまったのですが、もうトラウマになるような気持ちの悪いシーンを見たことを今でも思い出します。

 どんなシーンだったかと言うと、一つ目はシャワーの水が出るところからミミズのような虫が大量にボタリボタリと落ちてくるシーンです。あれは怖いというよりも気持ち悪いのですが、もう確実にトラウマになりました

 

 最後に、映画の「ランボー」だったかその原作だったか、或いは他の戦争ものだったか、とにかくベトコンにつかまったアメリカ兵が拷問のためだったと思うのですが湯船一杯に満たされた芋虫毛虫ミミズのようなゴニョゴニョ、ネメヌメした生き物の群衆の中に落とされる、という描写があって、それがいまだに心の中でものすごくトラウマ的な気色悪い場面として覚えています。私なら実際にそういう目にあったらもう精神に異常をきたしてしまうと思うのです。

 

 現実のものでなくても映画やテレビや読むものでもなんでも、トラウマのもとは沢山あるものだなと思います。