(今回の代車 ディーゼルモデルのジャガーXE)

 

 今、自家用車を7年目の車検に出しています。ディーラーには代車を依頼しているのですが、毎回、なかなか刺激的な思いをします。正直なところ、慣れて知ったる自分のものではなくて借りているものなのでなかなか勝手が違うし、なんらかのマズイことになったらいけないな、というプレッシャーもあります。

 今日は94歳の母を銀行に連れて行く用事があって、母に乗ってもらったのですが、とかくに高齢のボケ老人になっている母は「お漏らし」の危険性があるようなのです。自分の自動車にしてもお漏らしされたら困るけれども、とりあえずはなんらかのクリーニングで対応できるのではないかと思います。でも代車では次の借り手が直ぐに決まっているので、決して粗相があってはならないのです。借り物の車内が小便臭くなってしまったら、とても困るのです。母にはお漏らししないでと言ったところで効果がないであろうし、念のためにビーグル犬まろさんのトイレシートを座席の上に敷いてその上に座ってもらいました。

 

(「僕のおしっこシート勝手に使われるのやだな」とビーグル犬まろさんオス9歳)

 

 車内もそうですが、外側も何らかの傷でもできるようなことがあったら大変なので結構緊張します。一応、今回は同じ車種なので車両感覚は同じはず、なのですがやはりちょっと違います。

 

 ナビとか音楽とか電話とかのインターフェースが前回借りた代車のものともまた変わったような気がして、結構戸惑います。「これが代車です」と言われて目的地設定とか音楽の設定とかで戸惑い、そのうえで座席の傾きや高さやミラーの調整をするのだから、「そんなに急がせないで」といつも心の中で思います。ディーラーの駐車場を出るまで見送ってくれる、ようなのですが待たれるとなかなか心苦しいものがあります。最初にディーラーから家に帰るときがいつも足の裏汗びっしょりみたいな状態になります。まあ高速道路では特に変わった操作はないのでリラックスできますが、横に自動車がくるとミラーで知らせてくれるのが「いや、それくらい注意しているし」とか思ってしまいます。普段から高速道路では常に前後左右の他車の位置関係に注意しているので。

 音楽のインターフェースは随分変わったので、なかなか直ぐにはうまく選曲できませんでした。さすがに何回か乗ったらやり方が分かったけれども、この部分とナビの部分って毎回自動車を点検や車検に出すたびに大きく変わっていってる気がします。ITに関わる部分は変革が激しいということですか。

 

 今日は、銀行の隣にある駐車場で安全に関する技術の進歩を思い知らされる出来事がありました。代車に傷をつけてはいけないという思いで駐車場入り口で駐車券をとるゲートから少し遠い位置で進入したら少しドアをあけないといけないことになりました。そのときにドアをしっかり閉めれば良かったのですが、自分でも気が付かないうちに「半ドア」になっていたのでした。今乗っている自家用車だと半ドアの場合は目立った警告がでるのだけど、動かなくなるようなことはないのです。でも、代車は進もうとするとストップしてしまう。ギアをバックに入れて少し動くとストップしてしまう。もう訳が分かりません。銀行の方には既に駐車場で車椅子の用意をしてもらっていたので早く駐車を終えないとと思うけど、どういうわけか代車は直ぐストップしてしまう...それでようやく半ドアになっていることに気が付いてその状態を修正し無事に駐車できました。多分、「半ドア」との警告は何らかの形であったと思うのですが見落としていきなり動かなくなるので、少し焦ってしまいました。よくドアを少し開けてバックする人がいますが、こういう自動車だとあれが出来ないということだと思います。カメラで前後左右、ついでに上からも映ってるから画面を見てればいいと言えば良いということもあります。

 家の駐車場に入れる時も、「これ以上、後ろに下がると危ない」というのか下がれなくなった気がしたし、なかなかに技術の進歩を...というかそういう機能が普通に装備されているのが...自家用車との年月の差を感じました。

 

 銀行からの帰りは既に暗くなっていたのですが、家の駐車場に入れ終わったら、「Jaguar」の文字が地面に投影され浮かび上がっていました。これって、バットマンが夜空にバットマンの印を投影する場面を連想させるようで、なんか嬉しいのでした。それは足元が危なくないように照らすという意味だと思いますが、なんだかバットマン。

 

 自分のは3リッター過給機のガソリンモデルでエンジンの力強さは代車とは比べるべくもないので、ついつい代車のディーゼルエンジンだともどかしくてアクセルを多く開けがちになってしまいます。自分の「本妻」が早く戻って来ないかなと思いつつも、修理部品の冷却水ホースの部品輸入に時間がかかるということでしばらくは代車生活です。

 

 メーカーとしてEV化が進んで、この車種自体含めガソリンエンジン車・ディーゼルエンジン車は販売しなくなるそうなので一抹の寂しさは感じます。EVはちょっとずんぐりした格好になってしまうようだし、エンジンの音やパワー感を味わえなくなるのだなということで。今後も今の自家用車に乗り続けるとしたら、そのうち代車もEVになってしまうんだろうか、いつまで対応してくれるんだろうか、地球環境問題を考えると内燃機関からEV への技術の変遷は仕方ないにせよ、なんだか寂しいものです。エンジンが目覚めたときのバキューンと言う音、高速道路への合流などで少し回転を上げたときのグワワォーンという生き物のような音はなかなか魅力的なのですが(いや私は普通に大人しい運転しかしませんが)、EVだとそんな時でも大人しいままということで。