(「見ての通り、僕はオス以外にはあり得ません」とビーグル犬まろさんオス9歳)

 

 私は本を読むのが大好きです。子供の頃の印象だと作家は男性が圧倒的に多い、というものでおそらく今もそうであるかもしれないのですが、女性の作家は樋口一葉とか瀬戸内晴美(寂聴)とか、佐藤愛子とか、まあまあ「この方は女性だな」と直ぐに分かる名前だったりしました。選ぶ本は明治や大正や昭和の「名作」と言われるようなものが多かったので、芥川龍之介や夏目漱石や遠藤周作や内田百閒の性別を間違える訳もありませんでした。

 ところが、そうした「権威主義」から脱して本屋で見かけた「面白そうな本」を読むようになると、「面白そう」で買って、カバーつけてもらって読んで、読んだら、カバー外してしまっとくみたいな感じになります。なので、もちろん、作家の名前は覚えるのですが、時にはうろ覚えのこともあります。

 以下、私が間違って覚えていたり、男女気にせず覚えていて後に驚いた作家さんたちについて記します。恥ずかしい。

 

1.有川浩(ありかわ ひろ 1972-)

 ドラマ「空飛ぶ広報室」「三匹のおっさん」の原作、映画「図書館戦争」「阪急電車」「植物図鑑」の原作等映像化作品も多い方です。

 私は、最初に名前を見たときに浩を「ひろし」と読んで男性作家だとばかり思っていました。女性と知って驚きました。

2.芦沢 央(あしざわ よう 1984-)

 「悪いものが、来ませんように」「許されようとは思いません」「火のないところに煙は」とか、気をそそるようなタイトルの本で思わず本を買って読みました。「芦沢(あしざわ)」という名前は「芹沢(せりざわ)」と勘違いし「央」は「おう」だと思っていました。しかもこの方、女性作家でした。読み方も性別も驚き。

3.石田衣良(いしだ いら 1960-)

 「池袋ウエストゲートパーク」の作者、映画「娼年」の原作者。「衣良」をずっとなんとなく「えら」だと思い込んでいました。男性。

4.伊集院静(いじゅういん しずか 1950-)

 読み方や性別で間違いはしなかったのですが、「しずか」といわれると、つい反射的に女性の姿が頭に思い浮かんでしまいます。有名な作家で昔から知っていなかったこともないのですが、なんとなく女性のイメージになってしまうということで。

5.荻原浩(おぎわら ひろし 1956-)

 「あの日にドライブ」「噂」「海の見える理髪店」等の作者です。萩原朔太郎が私の心の中では強烈な印象があるので、つい「おぎわら」をいつも「はぎわら」と読みそうになる、有川浩さんと名前が「浩」で同じなので印象が混同してしまう等のことがありました。もちろん、こちらは男性です。

6.恩田陸(おんだ りく 1964-)

 ドラマ「六番目の小夜子」の原作、「蜜蜂と遠雷」「夜のピクニック」「麦の海に沈む果実」等読んだのですが、この方のことをなんとなく男性だと思っていました。女性です。「陸」も確かに「りく」と読むのは自然なんだけど、なんとなく「睦」と間違えて「むつ」と心の中で思い込んでました。いやはや思い込み...

7.桐野夏生(きりの なつお 1951-)

 私には映画「東京島」の原作、「OUT」の作者という印象が強いです。「なつお」だから男性作家かと思っていましたが、女性だと知って驚きました

8.橘玲(たちばな あきら 1959-)

 「言ってはいけない—残酷すぎる真実」「もっと言ってはいけない」「上級国民/下級国民」「無理ゲー社会」とか私には新書のライターの印象が強いです。私が小学校の時代に同級生に「玲子」さんという名前の方がいて、「玲」も「れい」で女性だろうと思い込んでいましたが、「あきら」で男性だと知ってびっくり。

9.辻村深月(つじむら みづき 1980-)

 「冷たい校舎の時は止まる」「ぼくのメジャースプーン」「傲慢と善良」とかで、私には独特の雰囲気を持った作家さんに思えます。

 「みずき」という読みだったら女性だって思っても良かったのですが、ずっと男性作家だと思い込んでいました。

10.壷井栄(つぼい さかえ 1899-1967)

 余りにも有名な「二十四の瞳」の作者です。もちろん、二十四の瞳に小説でも映画でも人生のどこかで会ったことはあるはずですが、女性作家であることは当時は心に思い浮かびませんでした。

11.秦建日子(はた たけひこ 1968-)

 ドラマシリーズ「アンフェア」の原作者、としての印象が強いです。「アンフェア」は篠原涼子さん主演の刑事もので、子どもも喜んで観ていたのが記憶にあります。ところで、この原作者の名前、「たけひこ」と読むなんて当時は全く分からず「○○子」だから女性だろうくらいに思っていたのですが、男性でした、びっくり。

12.三浦しをん (みうら しをん 1976-)

 私にとっては、映画化もされた「舟を編む」の原作者です。ユダヤ民族の国家建設運動である「シオニズム」が想起される名前で、なんとなく男性をイメージしていたのですが女性で、なおかつ「紫苑」が名前の由来だそうです。

13.山口瞳(やまぐち ひとみ 1926-1995)

 「江分利満氏の優雅な生活」をはじめとした江分利満氏シリーズや、「居酒屋兆次」等の小説や、エッセイ「男性自身」シリーズ、コピーライターとして「トリスを飲んでHawaiiへ行こう!」等で活躍されていたので今さら...ではありますが、この作家の存在を知ってからしばらくは「瞳」だから女性だと思っていました。

14.若竹七海(わかたけ ななみ 1963-)

 なんといってもNHKでドラマ化された葉村晶(はむら あきら)シリーズの原作者と言うイメージが強いです。この方、確かに「ななみ」なのだから女性だと言われると納得ですが、漠然と男性作家をイメージしていました。

 

 以上、なんとなく漠然と覚えていた、間違って覚えていた、字面だけで覚えていた作家さんたちの話でした。もう、恥ずかしいような間違い、思い込みなのですが、作家の名前以外にも色々と妙な思い込みをしていることがあるかもしれません。気を付けないと。