(「僕の仕事はご主人様たちの癒し担当です」とビーグル犬まろさんオス9歳)

 

 自民党女性局の方々38人がフランス研修に行って、その時の写真をSNSに掲載したら、はしゃぎすぎているように見えてしまって疑問や批判の声が多くあがって「炎上」しています。

 物価高だの増税だの言われているこのご時世、「私たちは上級国民ですから、国のお金でパリへの外遊も行きますし、見聞を広めて今後の活動に生かしていくという名目で名所見物もしてくるんざあます。文句ある?」みたいに見える写真をわざわざSNSにあげて物議をかもす、というのは馬鹿な話でした。写真を掲載するのであればパリで会った先方のお偉方、国会議員等との対談写真だのを掲載するべきで、なんなら議事録だって誰が発言したかを明記して自民党女性局のホームページに掲載しておけば良かったのです。

自由民主党 女性局 (jimin.jp)

 滞在中はちゃんと仕事の時間をきっちりと確保して、谷間のオフの時間とか休日に観光地に行って楽しむ、それくらいは私は良い、全く問題ないと思うのです。わざわざエッフェル塔の近くまで行って観るな写真撮るなと言うのも野暮な話です。「国内が水害の地域もあるのに」というのだって、海外で国会議員たちと会談してくるのは随分以前に決まっていたことでしょうから、最近の出来事で急に予定変更するなんてのは相手にも失礼だし、無視しても良いとは思うのです。妙な嫉妬心をむき出しにして絡んでくる人たちの発言も、「雑音」と思っておけば良いのです、もしも本当に女性局パリ研修が正当な理由をもっておこなわれてちゃんとした成果を出すのであれば

 

 でも、女性局長の松川るいさんや今井絵理子さんが批判されてから出した弁明を見る限り、どうも「政治家としての覚悟」が足りない、批判されるのもしょうがないなと思ってしまいました。

 

 費用は党費と各参加者の自腹で捻出しています

 

 と松川さんは書いていて、今井さんも同じようなことを言っているのですが、それだからOKだ、文句を言われる筋合いはないとでも言いたそうなのはやはりおかしいと思うのです。

 「党費だって政党交付金は元々税金」という議論はありますし、それも正しいと思います。でも、もっと問題なのは「『各参加者の自腹』だから文句ないでしょう」という感覚です。もしかしたら38名の参加者の中には自腹の割合が高い人だっていたかもしれません。自腹の割合が高ければ良いのか。自腹100%ならなお良いのか

 

 そもそもがぞろぞろと38名も連なって、何をしたいのか。各々の心のうちに研修内容をとどめておけば良いのか。各々の地位の低い方の参加者の「成果」が見えないし、これまでうやむやで今後もうやむやではないかと危惧します。海外旅行と変わらなかった、有名な今井センセとご一緒させてもらった、松川センセとご一緒させてもらった、そんでパリの観光も楽しんだ、となっていないか

 

 そもそもが「フランス教育省、少子化担当行政部門、有識者、上院議員、下院議員と意見交換」をするのは、日本から行ったそれなりの地位の人のはずです。日本から行くのが「地方議員、民間人の女性局幹部、4人の国会議員」だったら、先方が本当にカウンターパートとして認識するのは4人の国会議員だけではないでしょうか。だったら、意見交換がメインの目的なら100%党費で国会議員4人だけで行けって言う話で。「党費の元は税金」でも結構ですよ、本当に真面目に仕事に取り組んでいるのであれば。それこそひろゆき氏が「議員立法期待してますよ」というのも同意です。でも地方議員が大挙して同行するのはある意味、地方議員への接待(?)、のように見えてしまう。議員立法は国会だけの話でしょうし、国会の法律ならともかく地方議員2-30人でその自治体に帰って急にどうなるものでもなし。

 

 つまり、他の人はなんだって話です。国会議員の他の34人は。

 そんな風にガチのはずの目的と、観光気分かもしれない人たちを混在させるのが大問題なのですよ。

 これ、たとえば企業の海外出張を考えてみてください。

 私もタイだのインドだのアラスカだのロサンゼルスだのデンバーだのアトランタだのボウルダーだのシンシナティだの海外出張は行きましたが、大抵は少人数でした。一人で行く海外出張も多かったです。海外出張の目的を達成するために一生懸命でした。海外出張の際に、「家族の分は自腹にするから、家族旅行にします」なんてしたことは一遍もありません。当たり前です。仕事なんだから、ビジネスなんだから、公私混同なことはダメです。「自腹」というと、どこかに「甘え」が出るものではないでしょうかね。研修旅行の人だって「いくばくかは自腹だから、少しくらいのわがままは許される」なんて気持ちにならないとも限らないのでは。「わがまま」ではなくても、どこか「仕事だけど仕事じゃない集中力を欠く」状態になる筈です。自腹部分が多ければ多い程。「90%自腹、でも元SPEEDの今井センセとご一緒させて貰えるんなら親しくしゃべってもらえるんならいいか、安いもんだわ」なんて感覚の人だっていたかもしれません。いや自腹の割合なんて知りませんがそれが何割であったとしても。

 これが100%公費、100%党費、であればちゃんと成果をあげ、報告書を書くことも要請される少なくとも公的な報告は要請されるでしょうから気構えが違うのでは。自民党は要請しないですかね、知らないですが。少なくとも、企業の出張の場合は成果が求められます。

 

 それで、そんな「絶対に成果だしてやる」みたいな心情になりうべくもない人々を混在させるのは、視察団としても問題なのでは。

 

 安倍元首相の「桜を見る会」は参加者からの会費で足りない分を安倍晋三後援会が負担し補填額の大半が政治資金収支報告書に記載されていなかったという問題がありました。今回のパリ研修会は、あまりにも「参加者の自腹」とか言うものだから、今回は参加者からの参加費の足りない分を党費で補填しているという構造ではあって、問題ないのだろうけどなんだか「桜を見る会」を思い出してしまいました